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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年8月15日

昨日は眠れなかった。

寝つきはよかったが、0:00過ぎに目が覚めた。そのときは熟睡感はあったので追加眠剤はもらわなかった。が、その後2:30に目が覚めて、それから眠れなくなり、そのまま朝を迎えた。こういう時間が一番つらい。昨日は眠剤が効いて熟睡感があったのに。昨日の夜に鬱が出たせいだろうか。医師は「鬱の症状と睡眠障害は相関関係がある」と言っていたから、やはり鬱の影響かもしれない。なんで眠れなかったのか悩んでもしかたがないので、これ以上考えるのはやめよう。ああ、それにしても今の私の心境は「徹夜で眠りたい」ってとこだ。

5:00頃ホールに出てきてコーヒーを飲んでると、窓の外の海がとてもきれいだった。昨日は7:30になるのを待って散歩に行ったが、すでに暑くて汗だくになった。今の時間なら涼しくて気持ちいいだろう。だめもとで看護婦さんに散歩に行かせてもらえないか頼んだが、「気持ちはわかりますけど、それはできないんです」と言われた。こっそり出ようにも、玄関は外からも中からも鍵がないと開けられないようになってるため、それもできない。

朝は寝不足でぼ~っとしてたが、今日は涼しいのでゆっくり散歩していつもの丘で歌集から何曲か歌っているうちに気が晴れて来た。今日は水曜日なのでシーツを交換し、雑巾で身の周りや窓を拭いていると気持ちよかった。

11:00の服薬のためにホールに行くと、卓球してたのでマイラケットを持っていった。なんと看護士のNさんも卓球経験者で、しかもカットマンだ。この病棟の看護士に二人もカットマンがいるなんて。Nさん曰く「11月に病棟対抗の卓球大会があるのでぜひ出てよ」「え~、それまでにはよくなって退院したいんですけど」「じゃあよくならないようにして退院させない」と冗談を飛ばす。でも本当に11月までかかるようではしゃれにならん。

喫煙所で「2時半から眠れなかったんですよ」という話をしたら、3時までなら追加眠剤をもらえることを教えてもらった。前は3時過ぎにもらいに行って、もうだめですと言われたので、あまり時間が遅いとだめなのだろうと思ってたが、もらっとけばよかった。追加眠剤は3時まで、それから一晩2回まで。そういう決まりらしい。それにしても、そう決まってるなら看護婦さんも最初に教えてくれてればよかったのに。

以前の日記で、「入浴のときに看護婦が見張ってる」と書いたが、あれは介助が必要なお年寄りのために待機しているそうだ。もちろん事故が起こらないように注意している、というのもあるだろうが。それと、洗い場の空きを見て「次一人入れるよ~」と外に声をかける役目もしている。

S君から最新のバタフライのカタログを貸してもらって見た。いつの間にか”Butterfly”のロゴも変わっている。卓球のユニフォームもずいぶんおしゃれになったもんだ。昔はボールが白だから、白いユニフォームは球が見えなくなるという理由で禁止だったのが、カラーボールが認められてから、テニスルックのようなユニフォームもある。ラバーは私が部活でやっていた頃に定番だった「スレイバー」や「タキネス」も残ってはいるが、今の一番の主力商品は「ハイテンション」というものらしい。「エネルギー内蔵型裏ソフト」と分類されている。「裏ソフト」って今思うとなんだか危ない響きだなあ。国際卓球連盟公認のネット「インター・ネット」という商品がある。これってインターネットがはやる前からあったのだろうか?卓球専門月刊誌「卓球レポート」も健在だ。卓球専門書もある。こんなの昔はあったっけ。「卓球は血と魂だ」う~ん、ちょっとだけ読んでみたいが、買ってまで読みたいとは思わん。

私が普通の合唱活動からヴォーカルアンサンブル活動に移行するきっかけとなったキングズシンガーズのアルバム「NEW DAY」を聞いていると、むしょうに歌が歌いたくなってきた。時刻は16:20。まだ外に出られる。少し暑いかもと思いつつ、歌集とピッチパイプを持っていつもの丘へ。伸びた草の影が西日でできていたので、その場所に立って歌集を朝の続きから順番に歌っていく。38番まで制覇した。ロシア民謡の「ともしび」が気に入った。Tちゃんお勧めの「みずうみ」もいい。この曲は元はグリーグの「ペール・ギュント」のメロディーに日本語の歌詞をつけたらしい。ずいぶん蚊に食われたが、アトピーなので虫除けスプレーは私は使えない。ま、アトピーだから痒いのはいつものことだし、アトピーのために献血も断られたくらいだ。蚊にくらい血を吸わせてやろう。

夕食時にS君から「アトピーって治るんですか?」と聞かれた。私の認識では、「現代の医学では治らない」と思っている。アトピーはアレルギーの一種で、アレルギーは体質に依存する。子供はアトピーが多いが、成長するにつれて体質は変わっていくのでだいたいは自然治癒するらしい。が、たまに私のように治らないまま成人すると、もう体質を変えるのはとても難しい。私はもう完全に治そうという気はない。さまざまな強さのステロイド剤や非ステロイド剤、保湿剤、一昨年開発された新しい免疫抑制剤をうまく使って、副作用が出ないようにコントロールして、一生つきあっていくつもりだ。

閉口するのは「体質改善」をうたい文句にしたさまざまな健康食品や○○水のたぐい、わけのわからない装身具や、あげくの果てには宗教まで、いろんな人から勧められることだ。そういうものをいちいち試してたらきりがないし、だいたいはお金がかかるものばかりだ。「藁にでもすがりたい」患者の心理につけこんだインチキ商品もたくさんある。「治った人がいる」という実例が書いてあったりするが、それ自体信憑性があるかどうかもわからないし、プラシボ効果かもしれない。それに、もし何かの健康食品で10人治った人がいたとしても、その裏に1000人治らなかった人がいるとしたら、それは効果があるものとはとても言えない。効くか効かないかは、十分なサンプル数で統計データを取り、さらにプラシボ効果でないことを確認してはじめて判断されるはずだ。ちなみに私はそういうものは頭ごなしに一切否定するので、プラシボ効果はまず出ない。

夜、喫煙所で医療ミスや事故の話が出た。ある病院で麻酔医が、自分で麻酔薬を麻薬代わりに常習してて死んだらしい。確かに麻酔医なら麻酔薬は簡単に手に入るだろうが、専門家なのだから致死量もわかりそうなものなのに。

今日は素人の人たちに卓球のコーチをした。相手が打ってくるめちゃくちゃな球を全部拾って打ちやすいところに返すのはなかなか難しい。S君とはいつもマジで勝負するのだが、「今日はラリーやってみましょうか」ということでひたすらラリーをやったら、これがかなり続いた。数えてなかったが、50は行っただろう。こういう基本練習をちゃんとするうちに、いつの間にか自分が腰のひねりが甘くなって手打ちになっていたことに気づく。

20:00眠剤5錠。今夜こそ眠れますように。3:00までに目が覚めたら意地でも追加眠剤をもらいに行こう。