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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年8月12日

昨日の夜は22:00の巡回のときには目が覚めていたので、寝つくのに1時間はかかったと思う。一度寝入ってから目が覚めたのは23:30頃だっただろうか。追加眠剤を飲んでまた寝ようとした。なんか今度は眠気がぜんぜん来ない。0:10分頃2回目の眠剤をもらって飲んだ。やはり眠れない。眠れないのでハンドヘルドPCを出して遊んでたら、1:00の巡回で看護士に注意された。「そんなことやってると、よけい眠れないですよ。横になるだけでもいいからじっと休んでください」とのこと。そういやヒーリングのCDを昨日持ってきたんだ、と思い出し、寝ながら聞いていると、これが効果抜群。いつの間にやら眠ってしまっていた。夜中に目が覚めたが、もう一度そのCDを聞きながら寝ると、また眠れた。でもまた目が覚める。う~ん、なんかいたちごっこだ。

今日はたまりにたまった洗濯をしようと思っていたのに、朝からどしゃぶり。困ったなあ、外に干せないや。乾燥機もあるけどお金かかるし。洗濯機も1回100円也。みんなどうしてるか聞いてみると、いろいろ工夫して部屋の中に干してるみたい。私も苦難の末、角ハンガーを窓の鍵のところにひっかけることに成功した。

昨日からくしゃみが連発して、鼻水も止まらない。のども少しいがらっぽい。当直の医者に言うと、体温と血圧を計って、喉の状態を見てくれた。熱はないが、喉頭が少し赤くなっていて、風邪の初期症状っぽいらしい。10:30に内科の医師が回診に来るので、そのときに薬を処方してもらえるそうだ。

洗濯を終えて窓にひっかけた角ハンガーに干すが、長ズボンやら短パンやら大きめのものが干しにくい。いろいろ悪戦苦闘した末、なんとか全部ひっかけることができた。

その後は日課であるオカリナを吹きにいつもの丘へ。またEさんが先に来ている。最近ここでのEさんとのデートが日課となりつつある。デートとはいってもEさんは二人の子持ちなのでこれから何か期待することは無理なんだが。というか、この病棟内でそういうことは考えてはいけないのだ。退院したS美さんが「彼氏がほしいんだけどねぇ」とため息をついていたときに、みんな口をそろえて「相手は健常者じゃないとだめだよ」とのたまっていた。こういう病気どうしでくっつくと、二人そろって落ちたときが危ないのだ。中年女性のKさんが言うには「優しいだけの人じゃだめだよ。思いやりがある人じゃないと。思いやりのある人は優しいけど、優しい人が思いやりがあるとは限らないからね」そういうもんなのだろうか。「健常者で病気に理解があって思いやりのある人」自分たちのような病気を持った人の相方となる人の必要条件だそうだ。私もそういう人をどこかで見つけられるだろうか。そもそも普通でさえ相手には「健康な人」ってのを望むのが当たり前なのに、自分が病気で相手は健康な人がいいってのは虫がよすぎるような気もするし、なかなか難しいだろう。特に「鬱状態」に陥ったときのつらさは、経験しないと絶対にわからない。健康な人と話していると、鬱状態を「憂鬱のひどい状態」と思っている人が多いようだが、全くそんなのとは違う。あえて一番近い気分をあげるとすると、「自己嫌悪のひどい状態」であろうか。「苦しみは実際にはわからないけど理解してくれる」人なんて見つかるのかなあ。

入院してから一週間くらいは、午前中はずっと寝ていたが、最近は寝ることはなくなった。とは言え、けっして調子がいいわけではない。ぼ~っとした頭で何かをして過ごしている。今日は風邪気味なのでよけいしんどい。くしゃみと鼻水だけだったのが、昼前になって咳が出てきた。いよいよ風邪が進行してきた。今日の当直の医師はまだ来ない。

当直の医師が来たので診察を受ける。内科の先生じゃなくて自分の主治医だった。風邪薬を出してもらうことになった。ついでに睡眠障害が改善されていないことを伝えると、眠剤が増えることになった。薬はどこまで増えていくのだろうか。みんなホールに集まって一斉に薬を飲むので他の人の薬もわかるのだが、大量の薬を服用している人もいる。

13:30から土日恒例のカラオケが始まったので参加するが、なんだか熱っぽくなってきた。看護婦さんに体温計を借りて熱を計るが、35.2度と異様に低い。汗のせいだろうか。「風邪ひいて喉が痛いんだったらカラオケやめなさい」と看護婦に言われてあえなく退散。CDを聴きながらベッドに横になる。CDはトライトーンの最新アルバム「One Fine Sunday」こんな日にはぴったりだ。そういや入院前に持ってくるCDを選んでたときに、自分のお気に入りのCDがないないと思っていたら、Mちゃんに10枚も貸したままだった。「聴きたいから持ってきて」とでもメールしてみようかな。

携帯の留守電は2週間しか保存されないので、ちょっと外に出て留守電チェックしたいと思い、看護婦さんに携帯をいったん返してほしいと頼んだら、だめだと言われた。病棟の外に出て使うのもだめだそうだ。普通の病院なら院内では電源を切るくらいでいいが、ここでは携帯を所持すること自体がすでに禁止で、「事情はわかりますがお返しできません」とのこと。ここは何から何まで厳しい。ただ、外出時には返してもらえるそうなので、木曜あたりに駅前にでも買い物のために外出することにして、そのとき返してもらおう。もちろん病棟に戻ったらまた取り上げられる。P-in Comp@ctがPHSだとばれなくてよかった。今はこれがなければ何もできない。ただしP-inを使ってると、あっいう間にバッテリーを食うのがたまにきずだが。これで通信してるのがばれるとかなりやばいだろうな。

しかし、なぜ携帯を所持すること自体が禁止されているのか理由がわからない。普通、病院で携帯がご法度なのは、電磁波が医療機器に影響を与えるから、というものなので、携帯を取り上げられたのも院内でこっそり使わないためだとすれば理解できる。だが、それなら病棟の外で使用するのであればそのときだけ返してくれてもよさそうな気がする。これだけ広い敷地なので、見晴らしの丘あたりに行けば電磁波は全く問題ないのだが。「外に行って使う」という患者の言葉は信用ならない、こっそり中で使う人もいるかもしれない、だから全員一切携帯は禁止、ということなのか。もし、携帯による院外の人とのコミュニケーションが治療上問題ある、ということならば、公衆電話も病棟への電話取次ぎも同様に制限されるはずだが、それは全く制限がない。

でも、いろいろ裏技はあるらしい。家族がいる人は、家族が面会に来たときに「携帯所持禁止らしいので持って帰ります」と家族が看護婦に申し出て、いったん家族に返してもらい、その後こっそり本人に手渡す、というパターンが多いらしい。しかし、私は一人暮らしで遠く離れた家族はめったに来ることはない。外出するときはいったん返してもらえるので、「おもちゃの携帯を買っていって、病院の戻ったらダミーでそれを預けるとばれるかなぁ」とSさんに言うと「そんなのばればれじゃん」と大笑いされた。確かにおもちゃはいかんだろうな。しかし何らかの方法で、私の携帯と同じ機種で、もう使われなくて実際の契約をしていない実機が手に入れば、これは絶対にばれないような気がする。○○カメラのたぐいの店に行って店頭在庫処分品あたりが手に入らないか調べてみよう。

外出許可は出たものの、昨日みたいに1時間くらいショッピングをしただけでものすごく疲れる。外出するにも、どれくらいのペースでどういうことから始めていけばいいか主治医と相談したい、と看護婦に言うと、ちょうど主治医が当直だから先生の都合がつけば今日時間を割いてくれるかもしれない、と言われた。が、救急車で運ばれた急病人がいるので明日になるかもしれないとのこと。精神科に救急で運ばれるというのはどんな患者だろう。

18:30の連絡会の前にTちゃんから電話あり。明日の午後来るそうだ。家族以外では初めての面会者だ。ここに来てびっくりするかもしれない。

20:00就寝前の服薬。眠剤が一種類増えた。増えたのは「ベゲタミン」という名前のようだ。これで4種類の眠剤を飲んでることになる。これで眠れるかなあ。昨日のヒーリングのCDをプレーヤーにセットして、これを聴きながら寝ることにしよう。