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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

月別アーカイブ: 2001年11月

昨日も喘息が出た。2:00か3:00頃だった。苦しくて目が覚め、しばらく寝付けなかった。もう一度目が覚めたらその1時間後くらいだった。6:00少し前に洗面所で騒ぐ声で目が覚め、うるさいなあと思っているとそのうち起床のアナウンスが入った。「目覚めのヨーガ」をやって起きる。

なんだか熱っぽくてだるいぞ~。朝食後もずっと横になる。ずっと寝ていたが、9:00前になって家賃を払いに行くために起きる。マスクをして外出届をもらい、バスに乗る。家賃を振り込み、通帳記入をする。その後に買い物でもしようかと思ったが、店が開くまで30分近くある。風邪がひどくなるといけないのでさっさと帰ってきた。

どうやらMYさんが急に退院が決まったそうだ。FWさんによると、病院にいるとどんどん状態が悪化するので、ということらしい。再入院してきたときは「家の事情があって」と言っていたのだが、家に帰って大丈夫なのだろうか。

入浴後は日経コンピュータを読み、少し休憩しにホールへ行った。KNさんがいすに座り、テーブルの上で腕に頭を乗せて寝ていたので、後ろから両手で頭を覆うようにして「気」を送ってみた。が、気がつかないようだ。気配で察したのか、頭を上げて、しばらく「気」の話をする。私の持っている「目覚めのヨーガ」と「気功の基礎入門」を持ってきて見せる。7つのチャクラがどうのこうのとKNさんが話していて、それはヨガの本に載っていた。

病室に戻って日経コンピュータを読んでいたが、疲れてきたのでCDを聴きながら横になっていると、いつの間にか眠っていた。16:00の服薬のアナウンスで目が覚める。ダルいが起きて薬を飲みに行く。戻ってきてしばらくまた横になっていたが、RさんとS君が野球の話で盛り上がっていてうるさい。のでまたCDをかけて横になる。

夜、またCDを聴きながら横になる。18:00頃コーヒーをいれて一服。KNさんとKGさんが「卓球の相手してもらえますか」と言うので快諾し、マイラケットを取りに行っている間にS君とKさんに台を取られてしまった。KNさんとKGさんによると、S君は「素人相手にはやる気がしない」と、口では言わないがやっているときに顔に出ているそうだ。つまらなさそうにやっているのだろう。KGさんには「5球でいいでしょ」なんて言ったそうだ。

洗面所で歯を磨いていると、顔を洗っていたSちゃんが「私、男性恐怖症なんですよ」と言い出す。「そんな風には見えないけど」と私が言うと「夜になると、男の人が怖くなるんです」と言う。「かっこいい男の人が怖いんです」そう言う。私が卓球をやったりオカリナを吹いたりするのを「かっこいい」と言ってくれ、それは照れるが、なんで怖いのか聞いてみたら「お兄ちゃんが」と言う。「ああ、そうなんだ」と私はそれ以上聞かない。やはり長年の染みついてきた恐怖が心の底に眠っているのだろうか。

さて、20:30をまわったので、今日はもう終わりにしよう。明日は友人のアカペラグループが出るライブを聴きに行く。彼らの演奏を聴くのは楽しみだ。

昨日は寝付くのには若干時間がかかっただろうか。夜は確か3:00前と5:00前に目が覚めて時計を見たと思う。その後まもなく巡視のY看護婦が来て暖房をつけていった。その後ぜんぜん眠れなくなったので5:30に起きてきた。

朝食後、いつものようにドリッパーでコーヒーをいれる。その後、ラジオ体操の後にまわしていた洗濯機が終わっていたので洗濯物を干しに行って戻ってくる。風邪の症状は治まっているが、用心した方がいいかなぁ、体育館レクはどうしようか迷う。窓を開けると空気が冷たい。とりあえず散歩はやめておこう。CDを聴きながら横になる。

少し眠ってしまったようだ。起きると9:00。ホールに行って一服し、FさんやKNさんとお話する。そのうち9:30になったが、まだ体育館レクのアナウンスがない。朝の申し送りが長引いているようだ。

やっとナースが出てきたので体育館へ。行こうかどうか迷っていたが、結局行った。前半はドッヂボール、後半はミニバレー。やはり体を動かすとすっきりする。病棟に戻ってうがいと手洗いをし、汗を拭いてシャツを取り替える。ここで油断をしない方がいいだろう。暖かくしてじっとしておこう。

昼からも暇だ。CDを聴いた後、散歩がてら家賃を振り込みに行こうと思って外来玄関前の銀行ATMへ行く。が、そのATMからは振り込みができなかった。しかたがない、月を越してしまうが週末の外泊時に振り込もう。

が、明日ならまだ30日だから家賃の振り込みが間に合う、と気がついた。明日の外出届は出してないが、ナース室に行って事情を説明して、外出届をその場で書いた。明日の午前中に行って来よう。週末に備えてエアロバイクも控えておこうと思っていたところだ。ついでに買い物して来よう。

14:30過ぎからクラブ活動。先週は園芸だったが、今日はクリスマスツリーの飾り付けをやった。こういうことをやるのは何年ぶりだろうか。幼い頃のかすかな記憶しかない。11月なのにもうクリスマスかよ、と思うが、世間ではもうクリスマス商戦真っ盛りだ。やっているうちに15:00を過ぎてしまった。まあ、今日はまだ風邪が治りきってないかもしれないし、湯のはってない浴室はとても寒いのでシャワーはなしでいいや。

15:30。まだ時間はあるのでオカリナを吹きに行った。広場の丸太のベンチで吹いたら日陰で寒かったので、丸太でできた見晴らし台の登り口にもたれながら吹く。いつの間にか人影が近くにいると思ったら、NちゃんとSちゃんの17歳コンビだった。しばらく私が吹くのを聴いていた。「Voice of Time」を吹いているときに、Nちゃんが「あ、この曲だ」と言った。どうやら彼女がこの間聞いたのはこれだったらしい。「オカリナってトトロが吹いてるやつだよね」と言うが、私は宮崎駿の映画の中でトトロだけは見てない。今度ビデオを借りて見よう。その後は思いつくままに宮崎駿シリーズを吹いた。彼女たちは元気にスキップしたりシーソーの上を歩いたり、しまいには芝生の上に大の字に寝っ転がって「生きててよかったね」「生まれてよかったね」なんて話している。前向きで元気な娘たちだ。

病棟に戻って夕薬を飲み、その後S君が昨日録画しておいた「力のかぎりゴーゴーゴー」の「ハモネプ」を観る。今回は関西大会だった。なかなかレベルが高いじゃないか。ヒップホップ系が出てきたりしたが、こんなんもあり?てな感じだった。

夕食後は日経コンピュータを読み、19:00になったらコーヒーをいれてクイズミリオネアを見る。畳のところでKGさんがKNさんにマッサージをやっている。と思ったら今度はKNさんがKGさんの頭の両側に手をかざして何かやっている。「何をやっているんですか?」と聞くと「手のひらからパワーが出ているんですよ」と言う。気功の一つだろうか。2人のやりあいっこが終わったので、私も「すごく肩が凝るんでやってもらえませんか?」とお願いしてみた。KGさんはマッサージをやってくれた。けっこううまい。「すごく凝っている」といつものことを言われた。KNさんに「気」を送ってもらうと、手をかざしてもらったところが温かく感じる。背中に気を送ってもらっているとき、「この辺が冷たく感じる」と言われた。リラックス体操をやっているときにいつもじんじんくるところだ。私はその辺が悪いのだろうが、それがわかるというのはすごい。「誰にでもできますよ」と言う。私も試してみよう。ヴォーカルアンサンブルのOさんが両手で球を作るような仕草をして「気を練っているんです」と言っていたのを思い出す。しばらくは私もそれを真似していたっけ。

20:00になったので終了し、病室に引き上げてくる。なんだか廊下がものすごく臭い。トイレからにおいが漏れてきているようだが、強烈だ。思わず病室の扉をS君に閉めてもらった。もう今日は就寝準備をして、日経コンピュータでも読むか。

昨日はさっさと寝ようと思って20:00過ぎに眠剤をもらって飲み、なんだんかんだやって結局20:30頃寝た。が、寝付きはあまりよくなかったような気がする。喘息が出て苦しくて目が覚めた。かなり寝たような気がして4:00頃かな、と思って時計を見るとまだ2:00だった。その後3:00、4:00、5:00とぴったり1時間おきに目が覚めた。中途覚醒がまたひどくなってきている。波があるのだろうか。風邪をひいて体がダメージを受けていると、そういう面にも影響するのだろうか。6:00を過ぎてもなかなか起きることができなかった。起きて歯を磨いている夢を見た。この間のカウンセリングによると、「よっぽど起きたくない」んだろうな。だけど「3,2,1,0」と気合いを入れてがばっと起きた。6:15頃だっただろうか。

咳が出て痰も出る。今日の外出は取りやめにしよう。「掃除しなければならない」ことはないのだ。いや、自分の内なる声に耳を傾けると、「行きたくない」そう言っている。

熱っぽくなってきた。今日の外出は中止することをN看護士に告げる。「風邪薬が今朝で切れたとおもうんですが」と言うと、調べてくれて「明日の朝まで出ている」ということだ。

少し調子がよくなってきた。喉の痛みも治まったし、熱っぽさも消えた。が、外出していたらどうなっていたかわからない。慎重に、慎重に。今日はおとなしくしていよう。環境整備で雑巾掛けをする。やり過ぎないように、窓のさんを拭いていく。気になるところはあるが、「これくらいでいっか」と自分に言い聞かせて適当なところでやめる。それでも雑巾は真っ黒だ。

もうすぐ昼食だ。午前中は日経バイト、日経コンピュータ、日経オープンシステムの残りの記事を読み尽くし、歎異抄の本の付録以外を読み尽くした。これでほとんど読むものは読んでしまった。暇になるなあ。この間のカウンセリングでフロイトの話が出たので、フロイトに関する本を買って来よう。そうそう、Sさんがアダルト・チルドレンの本は斉藤学(さとる)の本がいいと昨晩言っていたので、探してみよう。

昼過ぎにO嬢が面会に来ていた。外来のついでのようだ。カウンセラーの話で盛り上がる。元気そうでなによりだ。「帰って寝る」と言ってすぐに帰ってしまった。その後Uさんが退院していったのを見送る。7ヶ月入院していたそうだ。これでますます古株が減ってしまった。寂しいことだ。

14:50、散歩に行く。風呂に入った後で湯冷めしないように帽子をかぶってマスクをし、セーターとフリースを着込む。丘のピークへ行ってオカリナを吹こうとしたが、まだ日陰だったので降りてきた。どこか日の当たる場所がいい。広場ではS君とSさんがゴルフをしていた。丸太のベンチに座ってオカリナを吹いているとSちゃんが音色を聞きつけてやってきた。持っている携帯で電話すると言うので、見つからない場所の方がいいよ、とアドバイスする。コンサートで吹く予定の曲を流した後、「スウィングしなけりゃ意味がない」を吹く。

16:00からリラックス体操&自律訓練法。久しぶりにやった気がする。45分くらいかけてやった。体操をやっていると背中にびりびり感を感じる。やはり背中が悪いのだろう。

その直後に主治医から呼ばれた。診察室に入っていくと「風邪が治らないんだって?」と聞かれたので、風邪の経緯を伝えた。金~土の外泊後の疲れでいつの間にか寝てしまって、起きたら喘息が出て、その次の日の朝起きると風邪の症状が出ていたことを話し、外泊自体はそれほど調子悪くならなかった、と話した。ついでに今週末もたまたま予定があるし、また外泊してみようかと思っていることを話すと、「そろそろ毎週でもいい頃かな」と主治医は言った。

本も読み尽くしたので夜は暇だ。夕食後はずっと音楽を聴いて、18:30になったらコーヒーをいれ、喫煙所で一服する。しばらくKNさんやKさんとお喋りする。SちゃんとNちゃんが卓球をしていて、見ているとやりたくなってくるが、風邪なので自粛しようと決める。その代わりそばに行ってコーチすることにする。が、相手をして、と言われたので、ついついマイラケットを持ってきてしまう。Nちゃんの相手をしばらくして、その後Sちゃんと打ち合う。ソフトテニス部というだけあって、なかなか飲み込みが早い。

Sちゃんが「興奮してきたからもういい」というので、S君と打ち合う。それまではあまり動いてなかったのに、やはりこれで結構汗をかいてしまい、体力も少し消耗してしまった。早々に引き上げ、汗を拭いてシャツを替え、イソジンでうがいをする。洗面所に行くとSちゃんが窓の外を眺めていた。「何してるの?」と聞くと、「二人の卓球を見てると興奮して躁になってくるので、気持ちを落ち着かせるんです」すごい、自分が躁状態になることを自覚し、それをコントロールしようとしている。私はそれがなかなかできないのに。「寝る前に興奮すると、だめなんですよ」笑って彼女はそう言う。

寝付くのには少し時間がかかったろうか。目を覚まして「4:00頃かな?」と思って時計を見たら3:00だった。その次、「6:00だろう」と思ったら5:00だった。そして浅い断続的な眠りが続き、夢をずっと見ていた。最近睡眠の質が低下しているような気がする。そんなにたびたび目が覚めなかったのに。寝付きももっとよかったはずだが。6:00には「目覚めのヨーガ」を軽くやって起きた。もっと前から「もう起きようかな」とは思いつつ寝ていたのだが。

メールチェックしたが、自分個人宛のメールはない。山岳会のMLがほとんどだ。今日は特に多い。

朝食後はなんだかけだるい、というか「鬱の前兆」のような気がした。このまま寝てしまうかどうするか。「ねばならない症候群」の話を思い出して、「寝たいんだったら寝よう」そう思って寝る。風邪もまだ治ったかどうかわからないし。

9:00前になって、「作業棟に行こう」と思った。自分の意志なのか、超自我による「行かねばならない」を自分の意識と混同しているのかわからない。とにかく作業棟に行った。

作業棟に行って体脂肪率を計ろうとすると、電池が切れている。電池の交換をお願いしたら、手元にないというので取りに行ってくる、ということでしばらく待った。その間に作業療法士の実習生として来ている女の子と話をした。

基礎データを計り、体力テストを行う。今日はまあいい数字が出た。その後、一般トレーニングではなくて「マニュアル」を選択し、自分で負荷をコントロールすることにした。どれだけ自分は負荷に耐えられるか、どこまで心拍数を上げたらしんどいと感じるだろうか。そう思ってどんどん負荷をあげていき、160Wくらいで漕ぐ。心拍数も上がっていって、150を超え、155を超え、160を超えたが、しんどくない。さすがに危ないと思い、160を超えたら負荷を120Wまで下げ、心拍数が155以下まで下がるのを待ち、再び負荷をあげる。これを繰り返した。確かにいつもより息があがったし汗もかいた。が、動悸がする、胸がどきどきして苦しい、ということはない。30分を数十秒オーバーしてしまったが、消費カロリーは250kcal以上という、むりやり出したむちゃくちゃな数値が出た。

その後、ピアノがあいているのでちょっと弾いてみる。なかなか初見は難しい。いつの間にかT君がそばに寄ってきていた。T君とSちゃんはさっきもピアノを弾いていた。二人とも経験があるようだ。Sちゃんは歌を歌うのが好きなようで、一人でオンステージをやってずっと歌っていた。発声について少し教えてあげて、自分がベルカントの発声で声を出したり「荒城の月」を歌ったりすると、少しびっくりしたようだ。周りから拍手が来てちょっとびっくりした。その後もSちゃんは一人でステージで歌っていた。

病棟に戻ってきてSさんと話をする。20日ぶりに散歩したそうだ。「ねばならない症候群から脱した」と話している。「散歩しなければならない、て思う必要ないんだ」と悟ったそうだ。私も作業棟へ行くのは、「行かねばならない」のか「行きたい」のかわからない、という話をしたら、「でもはまーさんは行動するよね。決断が早いよね」と言ってくれる。Sさんは私のことを高く評価してくれているようだ。「前から決断は早い方だった?」と聞かれて「いや、昔から私は優柔不断でした。そういう自分の欠点を直す努力をしてきたから決断は早くなったのだと思うんですが、それが『ねばならない症候群』につながってるんじゃないかと思うんです」そう話すと妙に納得したようだ。自分で話しながら気がついていくことがあるが、これもまさにそうだ。私は周囲から見た「優等生」を演じ続けてきた。昨日のカウンセリングでも「優等生であり続けなければならなかった自分」に問題があったと思う、と話した。自分のことを「優等生」と表現したのは多分はじめてだ。本当は無意識の中に常にそれがあったのだろうが。

その後、山へ散歩へ行って帰ってくる途中で近所の保育園の散歩軍団とすれ違う。「おじちゃんどこ行くの?」「おじちゃんも散歩よ」保母さんは言うが、う~ん、そうかおじちゃんかぁ。まあそうだろうがちょっとショックだ。広場の角のテーブルのところにSKさんとNちゃんがいた。Nちゃんが「オカリナ吹いているのはまーさんですか?」と聞くので「そうだけど」と答える。私が作業棟の裏で吹いていたのを聞いていたらしく、悲しげなメロディーだったけどとてもきれいな音色だった、と言う。いつも山の中で吹いている、と言うと、山の中には行ったことがないので連れていってと言われたので、午後から一緒に行くことにした。

その後、約束したとおり山へ散歩に行く。けっこうな人数になった。SKさん、Nちゃんだけでなく、S君、Sちゃん、Tくんも来た。一番眺めがいいビーチチェアが置いてある場所では、はじめて来た人はみんな「すごいいい景色」と感激していたようだ。Sちゃんがハイになってきた。しゃべりまくる。「世の中で自分が一番好き」と彼女は話す。「神様なんていない。自分が神なんだから」私が入院してからたどり着いた考えに、この歳にしてすでにたどりついている。

場所を音楽堂に移す。Sちゃんがステージに立って延々と喋り続け、歌も入ったりした。完全に彼女のワンマンショーだった。しかし、彼女はすごい。17歳にして達観している。彼女はものごころついたときから6歳年上の兄に殴る蹴るの暴力を受けていたそうだ。いわゆるドメスティックバイオレンスというやつだ。でも彼女は泣かなかった。自分の首をつねったりして痛みを感じることによって、感情の転化を行っていたそうだ。一歩間違えばリストカットになりかねない。そして彼女は同級生の男の子が好きになって、その子が好きだから、自分で自分を好きになる、と決めたそうだ。そうやっていくうちに、本当に好きになってきたらしい。でも家で暴れたので、ある日「耳鼻科へ行くよ」と言われて精神科に連れてこられ、入院したそうだ。彼女は暴れた。そして保護室へ入れられ、手足と腰を縛り付けられたそうだ。その拘束はすぐ取れたそうだが、保護室には6日間も入っていたらしい。今の彼女の前向きな考え方からは想像がつかない。彼女は歌が好きで、J-POPの中から自分に勇気を与えてくれる曲を何曲も歌った。「何歳からでもやり直しはきくよ」彼女はそう言う。この歳にしてなんて達観しているのだろう。いろいろな本を読んできたが、Sちゃんの言葉が一番説得力がある、そう言うと、後から来たKGさんかKSさんかどっちか忘れたが「同感」と言った。若いからこそ乗り越えるのも早いのだろうか。それだけの軌道修正ができるエネルギーを持っているということか。

Sちゃんが話している途中から、S君の機嫌が悪くなってきたようだ。ぶるぶる震えているかと思えば、足下の落ち葉をちぎっては投げつけている。こんな若い子がこれだけのことを言え、前向きに生きていることに対して、彼の卑屈な心が拒否反応を示したのか、自己嫌悪に陥ったのか。以前、トランプをやっているときに彼がキレたという話を思い出す。SIさんの「S君は境界性人格障害じゃないか」という言葉も思い出す。どうもその傾向ありという気がする。

もうすぐ1時間たつのでそろそろ戻ろうか、と声をかけたら、1曲だけオカリナを吹いて、と言われた。Nちゃんが「悲しい曲がいい」と言うので、ただたけの「雨」を吹いた。

夕方からなんだか元気がない。風邪のせいか鬱なのか自分でもわからないが、とりあえず調子が悪いのは確かなので夕食後ベッドに横になる。準夜勤で交代したT看護婦がまわってきたときにSさんと一緒にからかったりはしていたが、咳は出るし鼻水も復活してきた。検温したら36.9℃だった。微妙なところだが、やはり風邪だ。状態によっては明日の外出は中止した方がよいかもしれない。今日はゆっくり寝よう。

ずっと寝ているが、ただ寝ているのは苦痛だなあ。メールチェックしたが、たいしたメールはなし。ただいま19:15。

20:00をまわった。今日はさっさと寝よう。イソジンがきれてしまったが、T看護婦に言うと新しいのをくれた。この辺は融通を利かせてくれてありがたい。

昨日は寝付きが悪かった。眠気が来ないので時計を見たら21:50だったのを覚えている。結局何時頃寝付いたのか。何回か目を覚ましたような気もするが、定かではない。時計を見たのは4:00だった。その後からが長かった。浅い断続的な眠りを繰り返し、ずっと夢を見ていた。いい加減そろそろ朝だろうと思っていると電気がついた。看護婦がつけていったようだ。その後起床の放送が入った。すこしかったるかったが、軽く「目覚めのヨーガ」をやって、今日は起きれた。

風邪気味で少しだるさを感じる。朝食後は散歩にいかなかった。鼻水が出まくって箱ティッシュがなくなってしまったので売店で買ってきた。その後はCDを聴きながら寝ていた。

作業棟に行くかどうか迷ったが、やはり行ってしまった。汗をかいて体の熱を出したいというのもあった。なに、調子が悪くてしんどければ途中でやめればいいや。そう思った。体力テストは案の定「6段階中の2」と悪かったが、一般トレーニングに入ってから、機械が勝手に負荷をコントロールするだけでなく、自分でも増減ができることを発見して、ついつい勝手に負荷をあげてしまい、だいたい130W以上になるようにしてしまった。脈拍は160を超え、20歳という設定にもかかわらずアラームが出た。実年齢ならとっくにアラームが出ているはずだが、それにしてもあまりしんどさを感じないのはなぜだろう。終わったら消費カロリーは210kcalを超えていた。むりやり出した数字だが、今のところ体にそんなにダメージは感じない。大丈夫かな?後からダメージが来ないかな?今日はゆっくり休もう。

CDを聴きながら休んでいると、婦長さんが日経バイトを持ってきてくれた。さっそく読み始めた。ATOK大阪弁対応?なんのこっちゃ。話し言葉にできるだけ対応するために、方言シリーズ第一段だそうだ。IEに新しいセキュリティ・ホール。またかよ、てな感じだ。

新しい女の子が入ってきた。朝、作業棟で会った子で、卓球大会ではしゃいでいた子だ。閉鎖病棟から移ってきたという。キャピキャピした女の子で、まだ17歳だという。どうして同年代の女の子が入ってこないのか。

昼食後、日経バイトを読み進める。もうすぐカウンセリングだが、今日こそロールシャッハの結果が出てるか聞こう。

カウンセリングを受けてきた。話題は先週の「あせる」というところから始まり、そこから離れて、「退院のめどは考えていますか」という話題を出したときに、自分では1年計画に切り替えたときにあせりが少し消えた、というようなことを話した。そこからどういう展開になったかは詳しくは記憶にはないが、自分が外出したり外泊したときに疲れたり、それで鬱に陥ったりする、ということを話すと「それでなぜ疲れると自分では思いますか」「その疲れるのと鬱になる、というのの関係を自分ではどう思っていますか」そのような質問をされた。それに答えているうちに、自分は鬱に入りそうな兆候がわかり、それは「もう少し寝ていたい」という欲求として現れ、それが小さな時には自分でコントロールできる、そのような話をした。カウンセラーは「鬱はコントロールできるできないの問題ではなくて、なぜそれが出てくるかが問題」と話した。確かに、コントロール範囲ですんでいるからいいが、なぜそういう状態に陥る、あるいは陥りそうになるのか。そこが根本的なところだ。そして話は「コントロール」ということに移っていく。

カウンセラーの説明によると、フロイト説では人間の心の中には「超自我(スーパーエゴ)」「意識」「無意識」があるそうだ。「コントロール」の範囲にあるのはこの中の「意識」の部分である。「超自我」は社会的に上から押しつけられるもの、「ねばならない」「しなければならない」英語で言うとshouldで表現されるものだが、それが私の場合ものすごく強いらしい。それが「意識」と一体化しているという。そのため、「意識」が「超自我」に支配され、コントロールを失うのではないだろうか。

そして「超自我」と「意識」の一体化が強い分、自分の「無意識」からの突き上げが激しい。本来の自分の感情を抑えているわけだから。私が「会社に行かないといけない、でも体が動かない、えいやっと起きて会社に行く、という夢を10回くらい繰り返して見る」と話すと、それはものすごい「無意識」からの突き上げで、自分は相当「会社に行きたくない」そうだ。それは自分でも薄々感じていたが、そういう無意識の自分の感情に気づきながらそれを認めたくないと思って抑えることを「否定」、そしてそういう自分の無意識な面に気づきすらしないのは「否認」と言う。私はその夢を見て、「自分は相当脅迫観念が強いんだな」と思っていたが、それは「超自我」が強い、という意味だけでなく、「無意識」では相当会社に行きたくないと思っている、ということらしい。言われてみると、自分は会社に行きたくない、というのは気づいていたが、それを抑えつけていたかもしれない。そう話すと、精神分析ではこの辺りをかなり慎重に細かく扱う、とのことだ。

私の場合、「否認」なのか「否定」なのか、両方が混じっているようなことをカウンセラーは話していた。なぜそんなに超自我が強いのか、「ねばならない」が強いのか、その原因はこれからじっくり探っていくことになるだろう。とにかく当面の課題は、自分の「意識」を成長させること。今の自分の「意識」は「超自我」と一体化して、本当の自分を見失っている。それを日常の行動の中で見つけていかなければならない。おっとまた「ねばならない」が出た。見つけていこう。とにかく、「意識」の上下にある「超自我」と「無意識」の風通しをよくする必要がある。自分の本当の心はどこにあるのだろう。まだそこが未成熟なのだろう。

ロールシャッハの結果はカウンセラーのところには行かずに主治医のところに行くそうだ。心理分析の結果を精神科医が説明する、というのはなんだかちぐはぐな印象を受ける。分析した人が説明してくれるといいのだが。主治医は心理の方はどれだけわかっているのだろうか。

夕食までSさんと話をしたりして過ぎていく。夕食後は日経バイトを読み進め、ほとんど読んでしまった。まだ連載記事は一つ残っているが、18:30を過ぎたのでコーヒーをいれて一息つく。

そうこうしているうちに20:25になった。就寝準備しようっと。