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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

ぐっすり寝た。寝付きもよかった。起床の放送で目が覚めて、「目覚めのヨーガ」を布団の中でやったら割とすっきり起きることができた。夜中は1回だけ目が覚めたが、確か3:00過ぎだったと思う。睡眠は充実してきているようだ。メールチェックすると私のオカリナのファンだったHさんからもメールが来ている。偶然近くで「自分でオカリナを作るイベント」があったので参加してきたという。自分でオカリナを作れるなんてうらやましい。私のは職人の手作りだが、自分でも作ってみたい。

Hさんに返事を書き、朝食を摂る。朝食後にコーヒーをいれて飲み、しばし喫煙所で雑談。天気予報を見ると今日も雨が降りそうだ。外はうっすらと薄暗い。厚い雲がかかっている。

8:00頃に病室に戻ると、いつの間にか雨が降っている。またオカリナを吹くのは無理かなあ。今日も寒そうだが、また作業棟の裏にでも行って来ようかな。

結局8:45頃まで音楽を聴きながら横になり、その後ジャージに着替えて畳のところでストレッチをして9:00頃作業棟に行く。トレーニングの前に作業棟の中でオカリナを吹かせてもらった。ただたけの「雨」一曲だけにしておいた。基礎データを計ると、体重が63.8kg、体脂肪率が18.8%。だいぶ減ってきた。体重が63kg代が最初から出るようになったし、体脂肪率もコンスタントに20%をきるようになってきた。

体力テストをすると、50Wで心拍数が110台だったのに、2段階目で55Wにあがったら、なぜか心拍数が逆に下がってきて110をきっていった。ありゃ、どんな結果が出るのかなと思ったら7分で打ち切られ、「6段階中の2。やや劣る」が出た。う~ん、機械も混乱しているのか。

10分のインターバルの間に、ピアノが空いていたので「エリーゼのために」を弾いてみる。寒くて少し指がかじかんでいるので、いつもよりまして指が動かない。もっと練習が必要だなぁ。Fさんが近くに寄ってきて「はまーさんて何でもできるんですね」と感心してくれた。

病棟に戻ってくると、明日心エコーの検査があると言われた。何時からかはわからないらしい。さらに、今日の13:30から肺機能の検査があるという。外出の予定を入れていたかもしれないし、事前に教えておいてほしいものだが、看護婦も今朝連絡が来たから、と言っていた。私が早めに作業棟へ行ってしまったので伝えられなかったそうだ。

Yさんが生命保険の契約について詳しいことを知らないか聞いてくるので、自分の約款を取り出して調べてみるが、よくわからない。なんでこんなにわかりにくい文章で書いてあるんだろう。Yさんとは入っている生保は違うが、「どの生保も同じだよ」と言うので調べてみようとしたのだが、結局約款を本人に貸して自分で調べてもらうことにした。

もうすぐ昼食なのでホールに出ていくと、前に隣のベッドだったHさんが来ている。今日はE氏が退院だというので来たそうだ。Hさんも調子が悪いらしい。それにしても、E氏が今日退院ということは、昨日の夕食時まで知らなかった。挨拶もなかった。やはりまだ退院の挨拶は懇談会のときに「まとめて」ということに記録上なっているのだろう。明日の懇談会で「記録の内容について患者が確認できるようにすること」を要求してみようか。いい人ばかり抜けていくなあ。入ってくるのはおばあさんばかりだ。

昼食後、喫煙所でみんなで喋っていると、アルコール病棟から移ってきたQさんが外出から戻ってきた。少し様子がおかしい。ものすごく不機嫌そうで、かけていた眼鏡を乱暴にテーブルの上に放り出す。みんなびくっとする。「外、寒いですよね」S君がそう言うと、首に巻いていたマフラーをS君に投げつけるようにして「やるよ、シルクだぜ」明らかに不機嫌だ。そのときKさんが言った。「誰に八つ当たりしてるんだよ。ここはアルコール病棟じゃねーんだよ。ばーか」「ここがばかだよ」相当いかれているようだ。昨日までは、しゃべり出すと止まらないが、割とまともだったのに。看護婦が「Qさん、診察へ来てください」と呼ぶと「うっせーよ、ばーか」と怒鳴り散らす。かなりやばい状態だ。みんな関わり合いにならないようにそそくさとその場を離れる。廊下でKさん、Hさんとひそひそ話をする。「飲んできてるんじゃない?」「それっぽいね。診察室へ呼ばれたのも検査するためじゃない?」「看護婦はすごく敏感だから。飲んでいたら絶対にばれるよ」Kさんは「ばれたら強制退院だろうね。アルコール病棟出身だから」Hさん曰く「1回目は見逃してもらえるんだけどね、2回目はだめらしいよ」それに対してKさんは「あの人はアルコール病棟でも一回ガッチャン部屋に入ってるから」そう言う。

病室に戻ると、Yさんが私が貸した約款を見て、わかった、と言う。いろいろ説明を聞く。なぜいろいろ調べているかというと、入院して120日過ぎたから、だと言う。「え、退院しないと保険金はもらえないんじゃないの?」そう言うと、「MAXが120日なんだから、それを超えるといつ退院したかは関係ないよ」そう言うので、私も保険の外交員に送ってもらった、保険金申請のために医者に書いてもらう書類を見ると、ちゃんと「退院」「入院中」のどちらかに丸をつけるようになっている。今まで退院しないと保険金はもらえないと思っていたが、入院中でも120日を超えると受け取れることがわかった。よかった。今日は103日目だから、最初の4日をのぞくと124日を過ぎれば、これを医者に書いてもらって申請しよう。高額医療の給付金もあるし、この分だと財形を切り崩さなくても済みそうだ。

肺機能の検査に行く。鉄砲のような形のものを、鉄砲とは逆さまに持ち、その先にトイレットペーパーの芯のようなものをつけて、それを口に加え、鼻を洗濯ばさみのようなものでつまんで、検査技師の言うとおりに通常に呼吸したり、思いっきり吸ったり吐いたり、リズムに合わせて思い切り吸う、吐くを繰り返したり、そういうことをやった。肺活量や、最大換気量などの測定だということだ。「うまいですね」検査技師に言われた。こんなことでうまいなんて言われるのははじめてだなあ、と言うと、「飲み込みがいいという意味ですよ。説明しても、なかなかその通りにできない人も多いので」そう言う。検査の結果は今日中に出るらしい。どうしようかな。明日内科医に面談を申し込んでもいいが、心エコーの結果と併せて聞くことにしよう。そもそも明日の心エコーは何時からなんだ?それも明日にならないとわからないのだろうか。

検査から戻ってくると、診察室でQさんが怒鳴り散らしているのが聞こえる。かなりやばい。S君と「相当やばいね」と話しながら病室へ戻ると、向かいの病室で看護婦がQさんの荷物を整理している。どうやら強制退院のようだ。彼はアルコール病棟のアルコール回復プログラムを終えて、でも行くところがなくて臨時措置としてここの病棟に置いてもらっている、という立場だ。ここを追い出されると行くところがないはずなのに、どうするつもりだろう。なぜ自分に不利なことをわざわざやるのか。飲酒欲求をどうしても抑えられなかったのか。

そのうち何か叩きつけるような音が聞こえてくる。どうも口だけでなく、暴れ出したようだ。看護婦が患者に「病室から出ないようにしてください」と避難命令を出してまわる。これを書いているうちに静かになったと思ったら、S君が入ってきて「収まったみたい。外に出たから」と言う。窓の外を見ると、外でQさんと医者と、警官までいる。何か外出時に問題を起こしたのか、医者に向かって暴力をふるったのか。病院の職員らしき人が彼の荷物を運んでいった。追い出された彼はどこへ行くのだろうか。緊急措置として15:00から病棟の入り口を施錠をすることになった。Qさんが戻ってきて勝手に入ってくるのを防止するために。

15:00からカウンセリングを受ける。今日は忙しい。まだ核心には全く入っていなくて、私のことを時系列で話しているだけだ。先週の続きで、大学卒業の頃、就職活動の頃から話を始め、会社に入ってから即戦力として2年半は活躍していて、同期の中でも自分は抜きんでいるんじゃないかと思っていたけど、自分のコンピュータの専門知識でリードできるのは、どれくらいまでもつか不安を持っていたこと、ビジネスマンとしてのヒューマンスキルが自分には欠けているような気がしていたこと、そして3年目のチームメンバーの異動の後に引き継いだ仕事でトラブルが続出し、それを一人で抱え込んでいくうちに鬱が出たことなどをこまごまと話した。その後の話も詳細にわたって話し、2回目の傷病欠勤から復職する時点までのことを話した。会社の産業カウンセラーが一度私の父親と話をしたい、と言っていたので、父親が仕事で上京する日をカウンセラーに伝えたところ、じゃあその日の何時に会社へ来てください、ということになった件も話した。私はカウンセラーと父親だけが1対1で話すのだと思っていたのに、カウンセラーがセッティングしたその場には、カウンセラーと父親だけでなく、私の上司と部長、人事部の人がいて、私に会社を長期間休むように父親に説得した、その話は後から父親から聞かされてはじめて知った、ということを話したらカウンセラーは驚いていた。カウンセラーは守秘義務があるので、自分がカウンセリングを通じて知り得たクライアントのことについて人事に情報をリークする、さらには本人の預かり知らぬところで家族に話をする、というのは普通はやらない、と言っていた。うちの会社のカウンセラーはやはりプロではない。ある程度までは私もカウンセリングを受けて自分のことがわかったりして効果があったが、それでも私が調子を崩して自分の手に余ると思ったら、どうも私を会社から追い出そうとしているようにしか思えない。なんせ、「この会社の仕事があってないんじゃない?」と転職をそそのかすくらいだ。

カウンセリングから帰って風呂に入る。肺機能検査とカウンセリングがあったので、昼間は入れなかったのだ。今日は寒いから帰ってきてからでちょうどいいや。先に風呂に入ってから外に出たら湯冷めするところだった。

Sさんが外泊から戻ってきた。本人は「大丈夫でした。」と言うが、私から見るとどうも何かあやしいものを感じる。目が少し「アブナイ」感じになっている。本当に大丈夫なのだろうか。

婦長が夕食時に「暖房はいま設備の方にお願いをしています。フィルターの掃除などが終わったら動かしてもらう予定です。それまでは、布団の追加がほしい人には支給しますので申し出てください」と言う。私もYさんも寒くて喘息が出ている。Yさんが「寒くて病気の症状が出ている患者もいるのに、なんで暖房を入れないんだ」とかなりしつこく婦長とやりあってくれたおかげだろう。夕食後、Sさんとさっそく追加の布団をもらいに行った。Sさん曰く、「はまーさんは寝相がいいから、寝ているときに布団ひっぺがしていることあるよ」そうなんだ。寝相がすこぶる「いい」(わけはない)私は、寝ている間に必ず布団がどっかへ行ってしまう。普通に仰向きに寝ることができず、何回も寝返りをうつ。一番安心して寝ることができるのは、「布団にしがみつく」ことなのだが、これは潜在意識の何かが関係しているのだろうか。

メールチェックすると、Hさんからメールが2通来ている。1通目は近況報告で、2通目は「HP見ました。こんなものが作れるなんてすごいですねえ」と書いてある。ただ驚いたからメールしただけだと書いてある。

19:30までメールを書いたり日記を書いたりして、その後卓球に参戦する。S君やSさん、Kさんと試合する。S君はマイラケットでなく病院ラケットを使っているが、卓球大会に向けてマイラケットを使った方がいいんじゃないかな?と今書いていて思った。復活したSさんは、スマッシュが決まればものすごく速いので、下がってロビングしようと思っても追いつかない。サーブもいい。Kさんはだいぶうまくなった。今日は動いていてなんだか体が軽いのを感じた。体重が減ったおかげだろうか。脚力もついてきたのかもしれない。

20:00で卓球を終了し、病室に引き上げる。ビオレパウダーシートで汗を拭き、スウェットに着替える。これから就寝準備をしよう。その後は何をしようかな。


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