TOPに戻る
鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

月別アーカイブ: 2003年6月

昨日もよく眠れなかった。寝つきはけっこうよかったものの、また0時に目が覚める。今度は追加眠剤をもらわずにもう一度寝ようとするが、断続的に目が覚め、ついに2時に追加眠剤をもらいに行った。サイレース2mg。けっこう強い眠剤で、これで眠れなければ異常としか言わざるを得ない。しかし、やはり熟睡はできずに何度も目が覚める。結局4時に起きてホールへ出てきて一服した。そしてこれを書いている。眠剤が増やされるだろう。あまり薬は増やしたくないが、こういう状態ではいたしかたない。台風が接近している。外はもう嵐だ。

朝になると雨もやんで日が照っている。今日も散歩日よりだ。しかし、熟睡できなかったためかなんだかだるく、朝食後横になってると少し寝てしまう。8時40分ころに日勤の看護婦が挨拶にやってきて起きる。少し体がだるく頭もぼんやりしている。もう少しすると作業棟へ行ってエアロバイクを漕がなくてはならない。が、なんだかめんどくさい。「なんだかめんどくさい」これを乗りきることが必要なのだ。、まだ「気合で何とかなる」範囲のだるさなのだから。

何とか作業棟へ行き、いつものメニューをこなす。まずは体力テストから。またもや「6段階中の4。優れている」ほんとかなあ。そう思っていたら作業療法士がやってきて、「お、けっこう維持してるじゃないですか」と言う。前の入院のときにもお世話になった方で、そのときもずっとエアロバイクを漕いでいて、最初は体力テストの結果が2だったのが、最後は5までいったのだ。それからすっかり衰えていると思っていたが、作業療法士が言うには「筋力はすぐ落ちるけど、持久力はけっこう落ちないもんなんだよね」と言う。自信を持っていいようだ。その後30分の通常トレーニング。やるたびに消費カロリーがあがっていく。いい傾向だ。燃えろ体脂肪!

エアロバイクを漕いだ後はいったん病棟に戻り、明日からあさってにかけての外泊届を書いて出す。毎週末は外泊で家に帰る。明日は、そうだなあ伸びきってどうしようもないこの髪を切りに散髪に行こう。そして久々に合唱団Pの練習に出るのだ。入院しているはずの私が現れたら、みんなさぞかし驚くかもしれない。

そしてすぐに体育館へ行ってデイケアに合流する。なかなか忙しい。デイケアでは三角ベースをやった後、ポートボールをやった。おととい、昨日とソフトボールをやって今日もスポーツができるなんて、なんて恵まれているんだ。存分に楽しんだ。体はやはりきついが、前よりも疲労感は少ない。

12時前に病棟に戻り、昼食。この昼食からダイエットメニューになっている。確かにみんなは肉を焼いたような料理を食べているが、私は豆腐だった。カロリー制限もやって、少しでも体重と体脂肪を減らして退院したい。しかし、その後のリバウンドに気をつけなければ。

昼食後、主治医に呼ばれて面接する。昨日の夜も追加眠剤をもらったが断続的にしか眠れなかったことを報告すると、眠剤が増えることになった。ベゲタミンが1錠増える。バルビツール系のちょいと怖い眠剤なのだが、眠れるようになれば眠剤も減っていくだろうから、しばらくはしかたがないだろう。、

そしてその後はデイケアへ。忙しい一日だ。デイケアルームは冷房がきいていて涼しい。病棟は7月にならないと冷房が入らないらしく、毎日蒸し暑い思いをしている。しかし、看護師室はクーラーがきいている。ずる〜いとみんな思っている。金を払っている方が暑い思いをして、金をもらっている方が涼しい思いをしているなんて、民間企業に勤務する私にはとても理解できない。病院というのはおかしなところだ。病院にもよるのかもしれないが、患者に対して高飛車な気がするのは私だけだろうか。患者に対するアメニティというものを、ここの病院はどれだけまじめに考えていることか。

デイケアのプログラムは最近変更になり、今まで午後はずっとスタッフ主導でゲームをやっていたのが、これからは曜日によっては患者が主導になってやりたいことをみんなで決めてやったりするフリーの日が入ることになった。今日はそのフリーの日で、何をやるかと思ってデイケアルームにいたが、特に誰かが何をやろうと言いだすこともなく、あっちで将棋をしていると思えばこっちでは談笑に花が咲いていたり、はたまた昼寝をしている人もちらほら。私も話に混じっていたが、トランプをやるようなのでそっちに参加した。この病院のデイケア伝統の「いんけんばば抜き」をやった。普通のばば抜きと基本的に変わりはない。違うのは、ジョーカーを持っている人が誰かに話しかけて、話しかけられた人がそれに答えてしまうと、ジョーカーがそっちに移動する、というものだ。文章で説明してもいまいち何がおもしろいかわからないが、実際にやってみると何気なく会話をしながら微妙な駆け引きが必要になってきたりして、ちょいとスリリング。今日のデイケアはそれで終わった。

それにしても、いきなり活動レベルがあがっている。デイケアで話していて「テンション高くないですか?」と聞かれた。ハイテンションなのかもしれないが、自覚できない。躁状態は自覚できないのだ。そう言うと昨日の主治医との面接でも、眠れない、と言うと「テンションは高くないですか?」と聞かれた。躁状態になると眠れなくなる、ということがあるらしい。そのときは「そういうことはないです」と答えたが、最近のオーバーワーク気味の自分を振り返ると、ひょっとしたら軽い躁状態になっているのかもしれない。そんなときには無意識にとんでもないこと、通常の自分ではやらないようなむちゃくちゃなことを調子に乗ってやってしまったりするので要注意だ。

病棟に戻って入浴。この病棟は古くて汚くて、病室に平気でゴキブリが出たりするが、風呂だけは院内で一番新しく、広くてきれいだ。汗を流してさっぱりし、のんびり湯につかる。

その後のんびりと散歩に出る。風が強く吹いて気持ちいい。作業棟の前の広場の隅でしばらくオカリナを吹いた。その後作業棟を覗いてみると、デイケアの音楽クラブの連中がサンバの曲を練習していた。素人を集めてクラブでやってるにしては、まあまあかな。病棟に戻ると「オカリナ聞こえてたよ。いい音だね」とか「上手だね」「聞いてると癒されるね」とか言ってくれた。自分は好きで吹いているのに、そういう風に言ってもらえるのはとても嬉しい。

夜はゆっくり音楽を聞きながら横になり、体を休める。寝ていると看護婦から呼び出しがかかった。彼女からの電話だった。不眠のことや薬のこと、躁気味のことを話すと、木曜日に面会に来たとき、彼女自信も「少しテンションが高いな」と思ったらしい。明日は外泊で家に戻るが彼女はバイト。夜は私は合唱団Pの練習。彼女はすぐ近所でバイトしているので、昼休みの1時間の間にうちで一緒にご飯を食べることした。短い時間しか会えないのは残念だが、日曜にまた会える。と言っても彼女のバイトが13時からなので、それまでなのだが。

おかしい。何かがおかしい。昨日も寝つくのに1時間くらいかかった。あれだけ運動して体が疲れているのだから、すぐに眠れそうなものなのに。そして0時に目が覚めた。昨日と同じだ、昨日はその後よく眠れなかったので、今日は追加眠剤をもらいに行った。これで朝までぐっすり眠れるだろう。と思いきや、また2時半に目が覚めた。なんなんだ。これもまた昨日と同じ。昨日はその後、本当に断続的に寝たり起きたりを繰り返して寝た気がしなかったので、また追加眠剤をもらいにいtった。追加眠剤がもらえるのは3時までに2回まで。もらいにいくと、「さっきも飲んだよね。2回目のはけっこう強い薬で、朝に残っちゃうかもしれないよ」そう言われたが、私はとにかく深く眠りたい。「それでいいのでください」そう言って薬を飲んで寝る、そして起きたのが4時50分。けっこう熟睡できた感じで頭もすっきりしている。しかし、朝に残るどころか5時前に目が覚めるとは。まだまだ私の体はおかしいようだ。そもそも寝る前に飲んでいる4種類の眠剤もかなり強いものばかりなのに。

ホールへ出ていくと他の患者がすでに起きている。いつもと同じ顔ぶれだ。眠れない人は決まっている。朝の一服はうまい。

今日は久々に晴れだ。朝食後、昨晩洗濯して部屋に干してあった洗濯物を中庭に干しに行く。みんな今日は洗濯物が乾くぞと嬉しがって、次々と干しに行っている。梅雨の晴れ間は嬉しいものだ。これで湿度が低ければなあ。

今日は天気もいいので久々に外で散歩。海の見える丘でオカリナを吹き、そして人なつっこい猫としばしたわむれる。その横をデイケアのスタッフがちょうど出勤するところで通り過ぎていって笑われた。場所を変えて、今度は山のふもとの小グラウンドでオカリナを吹いていると、同じ病棟の女性2人が近づいてきてほめてくれた。せっかくだから2人を山の中の散歩コースに連れていき、海が一望できる一番眺めのよい場所へ行く。涼しい風が吹いて肌に心地よい。山道は誰も整備していないので草がぼうぼう。くもの巣がたくさんはっていた。心地よい汗をかいて帰ってきたが、病棟へ戻ると女性2人はタイムオーバーで看護婦さんに起こられていた。散歩の時間は1時間と決まっていて、行くときにノートに出る時間を書いておくのだ。何時までか教えてもらっていたらその時間までに戻ったのに、とは言え山の散歩コースにどれくらい時間がかかるか知らせてなかった自分も悪い。ちょっと迷惑をかけてしまった。

木曜の午前はデイケアに行かずに病棟のプログラムである体育館レクに出る。今日はバレーボールだった。、バレーといってもいつも使っている普通のボールでなく、スポンジみたいな素材でできた大きめのソフトバレーボールで、これが軽くて微妙な動きをしてちょっと扱いづらい。でも汗を流せて気持ちよかった。休憩中に外へ出ると、気持ちよい風が吹いていた。

木曜の午後は通常ならデイケアに出るはずだったが、今日は病棟のレクでソフトボールをやるというのでそっちに参加する。昨日と連ちゃんでソフトボールができるなんて、なんて幸せなんだ。今日はピーカン、とってもいい天気。その中を爽やかな風が吹きぬける。プレーしていて気持ちよかった。

ちょうど15時にソフトボールが終了した。非入浴日の今日は15時からシャワータイムだ。今週は女性からなので順番を待っていると、彼女が面会に来た。今日の15時くらいに来る、と言っていたので来るのはわかっていたのだが。ちょっと話しているとシャワーが男性の順番になったので入ってきて、また彼女と話す。話していると今度は主治医がやってきて呼ばれたのでまた中座する。

主治医との面接では、おととい、昨日と夜中に目が覚めたこと、おとといは2時半以降断続的にしか眠れなくなり、昨日は追加眠剤を2回飲んだことを話す。追加眠剤は何という薬か尋ねてみると、1回目はサイレース、2回目はイソタミールとボロパリンを混ぜた粉末らしい。サイレースはずっと飲んでいる薬なので知っているが、あとの2つは聞いたことがない。「癖になったりするのであまり出さない方がいいんですけどね」主治医はそう言う。どんな薬か家に帰ったときに調べてみよう。今夜また眠れなかったら眠剤を増やすことになった。ついでにダイエットメニューのことも相談し、明日からダイエットメニューになった。運動とダイエットメニューでやせるのだ!

再び彼女と話し、夕食の17時前に帰るので玄関まで送って行ったら、もう玄関の鍵がしまっていて出られない。17時までまだ10分もあるのに気の早い看護婦もいるものだ。看護婦さんに言って玄関を開けてもらう。玄関の鍵があいているのは7時半から17時まで。それ以外の時間は表からも中からも鍵がないと開けない。患者が逃亡すると困るからだ。開放的なようだがやはりここは精神科。管理は厳しい。

精神科の病棟が他の普通の病院と違っているところ、それは他にもいろいろある。医療スタッフが気をつけていること、それは「患者に自殺、自傷行為をさせないこと」である。入院時に持ち物はチェックされ、コードやひもの類や刃物などは全部預かられる。私も小さな鋏と爪きり、それにシェーバーの充電用のコードも取られてしまった。使うときには言えば出してくれて、看護婦の見えるところで使う。携帯電話も取り上げられた。これは他の病院のように「医療機器などが誤動作を起こすなどの影響があるため」ではなく、「外部とコミュニケーションを取ることが治療の妨げになる可能性があるから」なのだ。それから服薬の時間になると、みんなコップを持ってずらっと並ぶ。そして1人ずつ薬を手渡され、看護婦の目の前で飲んで「飲みました」と言わなければならない。薬を確実に飲ませるためであるが、薬を患者に自己管理させると大量服薬をやったりする患者がいるからだ。薬を飲むのも嫌がる患者もいるが、入院時はごまかしはきかない。

まあ、私がいる開放病棟はまだ甘くて、閉鎖病棟はもっと厳しい。この病棟では、患者によって行動許可範囲が異なるが、原則的に日中は1時間以内なら散歩にもいけるし売店に買い物にも行ける。閉鎖病棟ではそれができない。ずっとおりの中だ。おりというと、開放病棟の窓はちゃんと開くが、閉鎖病棟の窓は10cmくらいしか開かない。

夜は久々に「アンビリバボー」の心霊写真特集を見る。実はこの手の番組は好きなのだ。

昨日も比較的早く寝つけたかと思う。前日ほどではなかったが。21時に就寝なのだが、しかし0時半に目が覚める。もう一度寝るが今度は2時に目が覚め、その次は3時に目が覚めた。もう一度寝ようとするが10分ほどで目が覚める。ここでトイレに行って、一服しようと喫煙所に行くと、なんと7人もいた。みんな眠れないのだ。精神病の症状として睡眠障害は共通しているのだ。一服してから再び病室へ戻って寝る。4時くらいにいったん目が覚めたような気がするが、次は5時まで眠れた。もう起きることにしてこれを書いている。今日はおめめぱっちり頭すっきり、というわけにはいかず、少しぼんやりしている。トータルでは結構寝ているものの、眠りが浅く、熟睡間がない。昨日運動して体が疲れているはずなのに、そしてあれだけ眠剤を飲んでいるのに。

朝食後、音楽を聞きながら2時間ほど寝てしまう。やはり寝足りない。深く眠れてないのだ。そろそろデイケアに行かなくては。でもなんかめんどくさい。これだ、これが悪循環の始まりかもしれない。これが自宅なら「調子がいまいちなので休もう」になるのかもしれないが、ここは病院。行くのはすぐだ。「気合い」でなんとかなるレベルのだるさ。気合で起きて準備をする。

今日のデイケアはソフトボール。広大な敷地を持つこの病院は、自前の体育館を持っているほか、敷地内にグラウンドやテニスコートもあるし、小さな山まである。小雨が降ったりやんだりする中、グラウンドで汗を流す。湿気が多くて不快指数は高いが、ソフトボールやっていて楽しい。

病棟へ戻って昼食を食べる。まとわりつく汗がべたべたして気持ち悪い。一服して一息ついてから、またデイケア棟へ。午後のプログラムはゲーム。今日は「たほいや」をやった。なんと懐かしい。10年くらい前のテレビの深夜番組でやっていたゲームだ。私は実際はその番組を見たことはないのだが、当時はまっていたパズル雑誌「ニコリ」にたほいやのことが取り上げられていたので、それで知っておもしろそうなゲームだなと思っていた。広辞苑から誰も知らなさそうな言葉を選んで、辞書に載っている本当の意味と、みんなが考えた「いかにもその言葉の意味っぽくて辞書に載ってそうなそれっぽい意味」をまぜて、どれが本当の意味でしょう、というのを当てるゲームだ。今日のお題は2つあって、「たまうてな」と「たでる」。珍解説やウケ狙いなどもあっておもしろかったが、正解を当てることはできなかった。

15時過ぎにjデイケアが終わり、病棟へ戻ってくる。本当はこの後にクラブ活動として、今日はテニスがあるのだが、とりあえず無理をせずに今日はおとなしく病棟に戻ることにした。もうだいぶ疲れている。来週あたりに余裕がありそうだったら、テニスにも参加していたい。少しずつ負荷を大きくしていくのだ。

病棟に戻ったらちょうど入浴が男性の最後の人の番だったので一緒に入る。これが女性が後の週だったら、女性が全員入り終わるまで待たなければならない。今日は午前中にソフトボールをやって土っぽくなっていたので、風呂がとても気持ちよかった。

夕食後、喫煙所で話をしていて、せっかく入院しているからこの機会にダイエットしようと思っている、と他の患者に話したら、医者に頼めば「ダイエットメニュー」にしてもらえるよ、という情報を得た。カロリー制限された食事をしているのは過食症などの節食障害の患者だけかと思ったら、そういうわけでもなくて、ただダイエットしたいから、というだけでもダイエットメニューにしてもらえるようだ。明日主治医に相談しよう。

昨日は比較的早く寝ついたと思う。やはり体を使って疲れたからか。しかし眠りは浅いようで、夜中に何度も目が覚めた。12時半、2時、3時、その後は断続的に数十分おきに目が覚めている。夜中に目が覚めないくらい熟睡できるようにならんと退院できんなあ。結局5時過ぎに起きてホールへ出ていき、モーニングコーヒーを他の患者からごちそうになる。少し昨日の疲れが残っている。疲れといってもだるさ、という感じではなく筋肉痛のような感じ。さすがに久々にエアロバイクを漕いだからだろう。こういう疲れは心地よい疲れだ。

朝食後は今日も散歩。と言ってもまた雨が降っているので渡り廊下を行って帰ってきて猫と戯れる。この病院には猫が多い。今日は6匹と遊んだ。猫は見ているだけでもおもしろいし、なんだか癒される。アニマルセラピーというやつか。
9時過ぎからストレッチをして作業療法でエアロバイクを漕ぐ。今日も体力テストの結果は「6段階中の4。優れている」だった。ほんまかいな?その後の30分の一般トレーニングでは明らかに以前からの衰えを感じるのだが。

うちの病棟が作業療法を行えるのは月火金の午前中だけ。でもせっかく入院しているのだし、毎日エアロバイクを漕ぎたい。この機会にダイエットもしたいともくろんでいるのだ。作業療法士に水木も使っていいか尋ねると、他の病棟のプログラムで使っているからだめだが、12時から13時までの間ならいいらしい。よし、明日は昼飯を食べてチャリ漕ぎするぞ。主治医にも許可を得ておかなくちゃ。

病棟へ戻ると主治医が来ていたので面接する。外泊のときに調子がよく、よく眠れたこと、疲れがたまらなかったこと、チャリ漕ぎで体を使うと早く寝つけるようだ、というようなことを報告する。水木の昼休みに作業療法棟でエアロバイクを漕ぐのは問題ないという。デイケアのプログラムへの参加もOKという。これから毎日チャリ漕ぎしてデイケアのプログラムにも参加して、活発に体を動かそう。風呂の時間との兼ね合いがあるので気をつけなくちゃ。これから毎週外泊してみて、自分としては1ヶ月くらいで退院、という感じで考えている、ということを伝え、主治医も同意してくれた。

昼食後、デイケア室へちょいと顔を出す。主治医からスタッフにはもう連絡がいっていて今日から参加OKだという。が、何曜日に参加できるか決めてほしいという。水曜の午前と木曜の午後は確実に出られるが、他の曜日の午後は入浴の時間との兼ね合いがある。入浴日は月、水、金で、13時からはじまって部屋ごとに順番に入る。その順番というのが、週によって男性が先か女性が先かが交代し、さらに同じ週でも日によって部屋の順番が違うのだ。その場では、じゃあ午後は基本的にデイケアに出るけど、お風呂の都合で出られないときは連絡をください、ということになった。

病棟へ戻ってしばらくすると、看護師に呼ばれた。デイケアのスタッフから病棟の看護師にも連絡があったらしく、入浴のことについて相談する。入浴に関してはデイケアから戻ってきて入るのでOKということだ。さらにいろいろ考えた結果、月、火、金の作業療法も9時半から10時過ぎまで、デイケアのプログラムが実質的に始まるのは10時半くらいなので両方出られそうだ、ということになった。スケジュール表を自分で作ってみたが、なかなかハードなスケジュールになった。暇な入院生活が一気に忙しくなるぞ。予定がごちゃごちゃしてきたので、このシグマリオン3のOutlookの予定表に入力してみたところ、
月:午前 エアロバイク、デイケア/午後 デイケア、カウンセリング、入浴
火:午前 エアロバイク、デイケア/午後 患者懇談会、シャワー
水:午前 リネン交換、環境整備、デイケア/午後 デイケア、入浴
木:午前 体育館レク/午後 デイケア、シャワー
金:午前 エアロバイク、デイケア/午後 デイケア、入浴
というスケジュールになった。午前中は特になかなかハードかもしれない。しかし入院生活は保護された環境で楽チンなので、退院した後にデイケア通院することを考えると、入院中は多少過負荷なくらいがいいのかもしれない。

昨日は1時間ちょいで眠れただろうか。22時をまわっても眠れなかったのは覚えているが、22時半まで眠れなければ追加眠剤をもらいにいくことにしているのに行かなかったので、そのまま眠れたようだ。朝は3時にいったん目が覚め、もう一度寝るが4時にまた覚める。そのあとはずっと起きている。眠りは浅いようだが寝つきはよくなってきたのでいい傾向だ。昨日の疲れも感じない。

朝食後、散歩。雨が降っているので渡り廊下を行って帰ってくるだけ。雨から避難してきた猫とたわむれる。

今日から作業療法を開始。前回の入院と同じくエアロバイクをこぐ。この入院期間中に少しでもダイエットできればいいなあ。前回は7ヶ月で7キロ落ちた。しかし半年で20キロ以上太ってしまい、前よりも醜い体型になってしまっている。今回も体を絞るのだ。最初に「体力テスト」というモードで10分間こいだら「6段階中の4。優れてる」と出てちょいとびっくり。すっかり体力は落ちているものと思っていたのに。しかしその後30分の標準コースをやると、前とはやはりぜんぜん違う。耳につけたセンサーで心拍数を計りながら自動的に負荷を調整してくれるのだが、ぜんぜん負荷があがらず、消費カロリーも少ない。やはり以前と同じというわけにはいかない。まあ、徐々に徐々に。

昼食の後、散歩しようとしたらまたぽつぽつ雨が降っている。さっきはやんでいたのに。しかたがないので売店まで行って戻ってくる。その後、新患恒例の院長回診。と言ってもなんてことはない、ただの挨拶だ。その後風呂に入ってカウンセリング。

カウンセリングでは何を話すか特に決めてなかったが、先週からの状況なんかを話しているうちに話がどんどん深くなっていき、自分の中でぼんやりと感じていた2つのことが言語化され1つにまとまった。これがカウンセリングの不思議なところである。

とりあえず今の自分のテーマは「内因性と心因性」。先週の水曜に調子が悪かったのは、心理的に何か原因となるものがあって、とかいうものではなく、純粋にうつ病としての症状、つまり内因性であり、そんなときは寝てるしかない。そう割り切るしかない。

しかし、実はそうでないときもある。心因的なもので「本当は行きたくないんだけど」というのが勝ってしまっている状態。本当は仕事なんかしないで遊んで暮らしたい、そう思っている人はたくさんいるだろうが、まあそうは言ってもそんなわけにはいかないから毎日せっせと会社に行く。

そのあたりまえのことが「自分は鬱状態だから無理」と思い込んで勝手に動けなくなっている。それは実は「気合」でなんとかなる世界のものであり、精神論でかたがつく。精神病を精神論で語るのはナンセンスだと思っていたが、実はそうでもない。問題は、調子が悪いとき、それが内因性のものか心因性のものか、自分で判断し、それに応じた適切な行動を取れるかどうか。これからの課題だ。

そして、退院してからそれはいっそう意味が重くなる。入院という保護された環境にいる世界から脱し、毎日自分で起きて自分でデイケアに通えるかどうか、調子が悪いときに悪循環にはまらないか。勝負はまだまだこれからだ。

朝に主治医との面接希望を看護師に伝えておいたのに、夜になっても主治医は来なかった。私がカウンセリングに行っている間に病棟に来たのだろうか。まあいいや、また明日にしよう。