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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

カテゴリー:メンタルヘルス

朝起きたら、虫になっていた。

違う、石になっていた。

昨日は「よっしゃ、明日から会社に復帰だ!」と気合いを入れていた。
しかし、朝起きたら動けなかった。固まっていた。

なぜなんだ?昨日までは、特に調子が悪くもなく、ただ眠くて日中寝てしまったりしていただけなのに。それなのに、朝、起きたら動けなかった。眠いとかそういうのではない。動けないのだ。

妻が朝の薬を持ってきてくれて、なんとか薬を飲んで、また横になる。動けない。会社に行くと決めたのだ。遅刻しても行くと決めたのだ。決めたのだ。行かなければ。行かなければ。ダメだ、何かに追いつめられて、動けない病がまた出てきた。

何が自分を追いつめているのか。調子が悪かったら無理をしないで休めばいい。会社のメールは自宅でもチェックしていて、今は特に忙しくなくて、私がいなくても仕事がまわっていることはわかっている。派遣会社から何か言われそうだからか?いや、そうでもない。

私は昨日まで会社を休んでいる間に考えたのだ。今後の自分の生き方を。

私は一生この病気とつきあって生きていかなければならない。
しかし、そのためには、自分だけでなく、自分を取り巻く家族や友人、そして何よりも職場の人たちもこの病気を理解し、一緒につきあってくれないと、生きていけない。
今の職場は、そういう面では上司の理解もあるし、時間に対しても全体的にルーズでアバウトなので、私にとっては好都合であり、非常に恵まれている環境である。

せっかく苦労してたどり着いた、今の自分を活かせてくれそうな職場である。できれば、ここで細く長く、ずっと働いていきたい。

しかし、調子が悪い時期は何週間も何ヶ月も、ずっと休み、ということはいくらなんでも無理である。

だから、細く長く仕事をさせてもらいたい。調子が悪いときは、調子が悪いなりに、遅れてもいいから会社に行ってそれなりに仕事をし、しんどかったら早退させてもらう。それでも周りが許してくれるなら、それに甘えて仕事を続けさせてもらいたい。

そのためには、調子が悪いときでも「まずは会社に行く」ことが大事なのだ。調子が悪いときは悪いなりのやり過ごし方を自分で見つけるのだ。

そのプレッシャーだろうか。自分の中では昨日までは「会社に行きたい」だったのに、今日は「行かなければ」になってしまっている。そして「ねばならない」は自分をがんじがらめにしてしまう。

しかし、今日はそこからはい上がった。気力を振り絞り、11時前に家を出て、何とか12時頃会社に着いた。みんなは涼しい顔で、Nさんは「あら大丈夫?」てな感じ。みんな黙々と仕事をしていて一見殺伐としてるが、なぜか温かみがあって居心地のいいこの職場。ときにはみんなでミーティングループでティータイムがあったりする。

せっかく見つけた自分の居場所。この場所を失うもんか。

今日は16時で早退した。実働4時間だが、無理はしないのだ。久しぶりだからそれくらいでいいのだ。上司は今日はいないから、適当なのだ。

それでいいのだろうか。まだ答えは見つかってない。

いかん、今日は寝てばかりだった。

明日から出社することにした。最近は調子が悪いということはなく、ただ眠いだけだから、とりあえず会社に行ってみることにしよう、ということになっているのだ。今朝は会社に行くつもりの時間で目覚ましをセットした。

が、起きれなかった。止めて寝てしまった。遅くまで寝てしまった。

午後も眠たくなって寝てしまった。なんで眠たくなるかなあ。会社に行ってあれこれ仕事をしていると、眠たくならなくて済むかなあ。

とにかく、明日は遅刻してもいいから会社に行くのだ。行って、また上司と話をしてみよう。

昨日は通院だった。なんだかんだ言って、調子は安定してきているし、日中寝てしまうと言ってもしんどいとかだるいとか鬱だとか、そういうのでなく単に「眠い」のであり、それは薬のためだと思うので、デパスを元の量に戻し、不安定だったら頓服でもう1錠飲むということにした。

それで、まあそんな感じなので、来週辺りからぼちぼち会社に行きたいのですが、と相談したところ、では無理のない範囲で行ってみたらどうですか?ということで、一応来週から職場復帰することにした。とは言え、無理は禁物。体調によっては午後からとか休むとか、そういうことになるかもしれない。とりあえずそういうことにした。

と、自分だけでそういうことにした、では済まされない。私は派遣社員なのだ。派遣会社の営業に電話して、こういう状態で、医師からこのような指示を受け、こういう勤務状態になるかもしれません、と話した。営業は今週中にうちの上司とコンタクトをとると言っていたが、まだとれてないらしい。

一応私はフルタイムでの契約なので、原則としてはフルタイムの勤務が前提である。体調が不安定で休んだり半日勤務が頻繁にあり得そうなのであれば、派遣会社としては派遣先と何らかのネゴシエーションが必要である。派遣先によっては、契約解除されてもやむを得ない状態なのだ。うちの職場は平気な感じだが。

まあ、今日、明日と休んでから来週から復帰し、その後3連休が2週続く。リハビリにはちょうどいいかもしれない。無理をしないように気をつけなければ。

う〜ん、今日はちょっと低調である。まだ日によってムラがある。昨日は「外に出たいけど、自宅療養中だし、でも今日は大丈夫だから外出してしまえ!」と外に出たが、今日は低い。昨日のせいか?

午前中、また2時間くらい二度寝してしまった。起きてからしばらくして、どうも眠くなるのだ。お茶を飲むのを忘れていた。明日はがんばってお茶を飲もう。

昼は、いろいろ勉強したいことがあるので、昨日買った本やらWebサイトの解説を読もうとしたが、どうも集中できない、読んでも頭に入ってこない。なんだか気力がないのだ。気力がないというと、やっぱ鬱の症状なのか。でも普通の人でも、なんか気力がないなんてことは普通にあるから、鬱の症状なのかなんなのか、自分でもよくわからない。

よくわからないままぼ〜っとして昼は過ごしたが、夕方16時頃から2時間くらい寝てしまった。眠ってしまうというのは、やはり調子が悪い証拠だ。今週でなんとか少しずつでもあがっていってほしいのだが。

今日は午後から割と調子よかった。昨日はけっこうダメージが強くて夜までくたばっていたのだが。

朝は何時頃だったか忘れたが、起きていったん薬を飲み、また寝た。午前中は寝て過ごし、昼過ぎに起きた。さて、どうしようか。今日は31日。締め日なので、派遣社員はタイムシートを記入して派遣先の上司にサインをもらって派遣会社にFAXを送らないといけない。

しかし私は家にいる。タイムシートは会社にある。上司も会社にいる。どうしたらいいかなあ。タイムシートは未記入だが、ファイルサーバの私の個人フォルダのExcelのシートに記録してある。Excelの方が実働時間とか間違わなくて済むし、時給や8時間を超える+αの分を計算して、今月いくら稼いだかリアルタイムにわかるようになっている。

VPNで会社のネットワークに接続してファイルサーバからExcelファイルをとってきて、時給やら余計な情報を削除して、庶務の子にメールで送って代筆して代理でサインをもらって代理でFAXしてもらうことはできるだろう。でもはたして、それっていいの?

めんどうだから会社に行くことにした。今日は割と調子がよかったので、14時くらいに家を出た。どうせ病院に行く予定だったのだからちょうどいい。2週間ぶりに職場に顔を出し、自分の席に荷物を置いて、とりあえず隣のブースの、私が休んだせいで一番迷惑をかけたであろうNさんに声をかけたら「あら?」と涼しい顔。

「ご迷惑をおかけしてすみません」

ととりあえず謝ると、

「心配しなくても、忙しくないし、ちゃんとまわってるから大丈夫よ。ゆっくり休んでね」

とのんきな返事。でもその一言でなんかだいぶ肩の荷が下りた。

そしてチームリーダーに挨拶に行った。ちょっと2人で話をしようか、と言われてしばらく2人で話をする。一応前の会社にいたときにうつ病になってしばらく会社を休んで回復したが、なぜかそれが急に再発した、ということになっている。自分が作ったそのシナリオを忘れずにつじつまを合わせて話さなくてはならない。嘘を突き通すというのはとても難しい。

しかし、あまり心配することはなかった。いろいろ話をしたが、チームリーダーに言われたことをまとめると、

「はまーさんに来てもらってから、仕事がとても速く回るようになって、とても助かっている。しかし、はまーさんがいなくても何とかなっているので、今は医師の指示にしたがって休養することに専念してほしい」

なんかえらく高く評価されているようなのだ。どうも派遣社員だからといって即チェンジ、ということは全く考えてないような感じだ。

「自分の弟の奥さんもうつ病でしばらく仕事を休んだりして、病気についてはある程度理解があるつもりだし、まあ自分のペースで来てくれたらいい」

そういうことを言われた。なんてありがたいお言葉であろう。

そもそもこの職場はチームリーダーがそういう調子なので、非常にルーズである。半分以上は派遣社員で、9時出社という契約になっているのに、9時前に来るのは私と庶務の子だけなのだ。9時半とか10時とか、連絡なしで平気で遅れてくる。正社員は11時とかに来たりする。(フレックスではない)それが常態化している、私にとって非常に都合のいいものなのだ。

タイムシートに記入してサインをもらい、FAXしてから会社をあとにする。そのまま病院へ行くのだ。バス停で待っていると、後ろの方から誰か手を振っているのが見えた。Nさんであった。Nさんはまだ1歳くらいの赤ん坊がいて、16時までという契約なのだ。そういう契約もありなのだ。

帰る途中のバスと電車でNさんと話をした。

「体、どこか調子が悪いの?」

と聞かれ、どう話そうか迷ったが、ネットワークチーム3人のうち、リーダーのYさんは管理的な仕事をしていて、実働部隊であるNさんと私はいわば組んで仕事をしている関係。Nさんには話しておくか、と思って

「実はうつ病が再発して…」

と話をした。全く驚くこともなく、

「ああ最近多いよね」

そんな反応だった。

「私も前の会社にいたとき、周りにうつ病の人がたくさんいて、私もあまりにきついから辞めて派遣になった」

とのこと。

「ここの職場はみんな適当だから、適当に来て適当に仕事したらいいよ」

う〜ん、それで許されるのなら、そうさせてほしい。いや、実際にそういう人がいるのだ。Mさんというサーバチームの派遣社員で、しょっちゅう、

「体調不良で午後から来ます」
「体調不良でお休みします」

という人がいるのだ。Nさんに、Mさんもやばいんじゃないかと思うんだけど、と話すと、

「ん〜でも彼女は5年前からあんな感じだよ」

5年前からあんな感じって、そんな感じの勤務が許されているのか。う〜ん、これは自分にとって好都合か。

横浜駅でNさんと別れて私は病院へ。診察では、午前中はまだしんどいが、午後はむらがあるものの、いいときも悪いときもある、と話をした。今回は診断書はいらないが、医師からの指示を派遣会社に伝えないといけない。どういう風に指示したことにしましょうかねえ、と相談し、時間的にも融通が利きそうな会社ということをアピールして、

「とりあえずもう1週間様子見で自宅療養とし、その後様子を見ながら、できれば午後から出勤など、短縮勤務から仕事を再開するのが望ましい」

そういうことにした。そして派遣会社の営業に電話して、そのように伝えた。会社へ行ってきてチームリーダーと話をしたことも話して、向こうが契約を解除するつもりはなさそうだ、と言うと、かなりほっとしたようだった。来週に営業が直接会社に行って、話をしてくるそうだ。

さて、私はゆっくり治療に専念しよう。なんか今日でだいぶ気が楽になったような気がするが、それで体調がよくなるわけではない。どちらかというと時間稼ぎである。いいのだ、もう少し羽を伸ばすのだ。