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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

カテゴリー:メンタルヘルス

よく寝たのかどうか自分でもよくわからない。夜中に何度も目が覚めたような気もするが、あまりよく覚えていない。一度時計を見たが確か3:30だったと思う。寝付きもよかったのかどうかわからない。気がつくとCDが終わっていたが、寝付いてからいったん目が覚めた時のことだろうか。いつもだが、寝ているときに夢心地に、ここが病室ではなくどこか別の場所と錯覚する。あ、病院なんだな、と気がついたときには「まだ寝ていていいんだっけ」と思い、「まだ放送が入ってないからいいんだ」と思ってまた寝る、ということが今日だけでなく前もあったような気がする。

起床の放送が入って目が覚め、最初はまだ眠たいので体が動かない、と思っていたが、少しずつ「目覚めのヨーガ」で体を動かしていくと、少しすっきりしてきて起きることができた。この「目覚めのヨーガ」は、「寝ている状態」から「起きて立った状態」まで、段階的に体をほぐす動きなので、スムーズに起きることができるようになった。

今日は雨が降っている。散歩は無理なので、7:40頃から8:00過ぎまで作業棟の入り口の屋根の下でオカリナを吹く。「コンドルは飛んでいく」の最初のEからAに切り替えるところ、そして戻ってきて再び最低音のEに入るところがなかなか決まらない。この部分はもっと練習が必要だろう。

9:00過ぎに病院を出てバスに乗る。今日は歌の練習だが、楽譜を病院に持ってきていないため、いったん家に寄るつもりだ。時間はけっこう余裕がありそうだ。

病院でCDを聞いているとき、「この曲は前からやりたいと思ってたけど、確か家に楽譜があったはずだ」という曲があって、その楽譜を持っていこうと探したが見つからなかった。楽譜を持っていたというのは勘違いだったかもしれない。日経オープンシステムの記事の続きを読んだり、なんだかんだやっているうちにあっと言う間に時間は過ぎて、あわてて出発する。

久々に歌の練習に出る。フルメンバーは8人だが、そのうち2人は忙しくてずっと休んでいるので、今は実働6人となっている。ソプラノの1人がお休みで今日は5人。N氏がPCのソフトで作ってきたBoyzIIMenアレンジの「Yesterday」を練習する。その後、久々に「Nightingale sang in Berkley square」を練習する。2年くらい前にやりかけて、難しすぎて途中で放り出した曲だ。何回か細かく練習しているうちに、怪しい箇所は多いがなんとか最初から最後まで通るようになった。以前よりレベルアップしてるのかな?6月のジョイントコンサートのCD-Rができあがってきたので受け取る。それにしても今日は喉の調子があまりよくない。ちょっと喉が痛いなあ。練習の合間にストレッチというか、ヨガのポーズを少しやると体の固さがとれて楽に通る声が出るようになった。

練習後はみんな帰るというので、ベースのA氏と一緒にファミレスで飯を食って帰る。帰りの電車で受け取ったばかりのCDを聴いていたが、電車の音がうるさくてよく聞こえない。こんなにも世間は騒がしいのか。

家に帰って改めてCDを聴いてみる。う~む、こうやって聴くと自分たちの演奏の荒さが目立つ。まだまだだなぁ。自分もピッチが不安定だったり、音の立ち上がりがふにゃふにゃだったり。他のうまいグループはやっぱりうまい。う~ん、いまいちうちのグループはインパクトにかけるというか、特徴がないなあ。

久々にネットサーフィンしているうちにえらく遅い時間になってしまった。いかんいかん。シャワー浴びて寝よう。今日は終わった後も電車で帰ってきた後もあまり疲れを感じない。明日朝起きたら調子はどうだろうか。前回の歌の練習の時は鬱に入ってしまって午前中いっぱい起きれなかったが。今回は多分大丈夫だと思う。

昨日は寝付きはまあまあだったかな?CDを聴き終わる前に寝付いたのは確かだ。だが、夜中に喘息が出た。咳が出て、かなり呼吸が苦しくなった。じっと我慢して寝ていた。起きたら睡眠のリズムが崩れそうだと思ったからだ。いつもそのうち治まる。そう思って我慢していたら、また寝てしまった。朝には治まっていた。喘息で病院にかかったことはないが、一度ちゃんと医者に相談した方がいいのだろうか。

朝は起床の放送で目が覚める。「目覚めのヨーガ」の体操をいくつかやって目を覚ます。いろんな動きが載っていて、少しずつ練習しているのだが、目覚めに本当に効果があるようだ。眠たくて起きれないなあと思っていても、少しずつ布団の中で体を動かしていると、徐々に体が起きてきて、ちゃんと起きることができた。

朝食後、喫煙所でKさんが紙に簡単なバスの絵を描いて「このバスはどっち向きに走るでしょう」とクイズを出してきた。クイズ、と思いきや「幼稚園の入試問題」らしい。ものすごく単純な絵で、バスの本体を表す長方形の中に窓が4つついていて、丸いタイヤが下に2つついている、それだけの絵なのだが、それだけで「どっちに走るか」考えるのだ。う~ん、いろいろ考えたけどわからなかった。答えを聞くと「右側。入り口がないからこの絵は右から見たバスの絵だから」というものだ。そうか、なるほどと思ったが、幼稚園に入ろうとする3~4歳の子供はわかるのだろうか。われわれ大人はいろいろ複雑なことを考えてしまってよけいわからなくなるのかもしれないが、案外子供の視点では簡単なのかもしれない。

8:00過ぎからいつものごとくオカリナを吹きに音楽堂へ行く。今日はいつものレパでなく、適当にいろいろな曲を吹いた。いつも聴いている宋次郎のCDに入っている曲や、尾崎豊の曲などだ。

日勤で交代した看護婦が病室へ来て様子を聞きに来た。喘息が出て苦しかった旨を伝えて、また来週の火曜日に内科医に相談することになった。

今日は大手の企業の研究所が公開イベントをやっているので、その見学に行く。数日前にその広告が新聞のチラシで入っていて、それを取っておいたのだ。その概略地図を見る限り、ここから割と近そうだが、先日買ったこの市の地図を見ると歩くにはちと遠い。行くにはバスでいったん逆方向へ戻り、一駅電車に乗って、そこからまたバスに乗らないといけない。めんどうなのでタクシーで行ったら2,200円かかった。うん、歩ける距離ではなかったけど、こんなにかかるんだったら早く出てバスと電車で行けばよかった。

タクシーで会場につくと、家族連れでごった返している。フリーマーケットなども出ている。私はフリマは無視して展示会場へ入る。最先端の技術、いや最先端の少し前かな、「実用化が可能、もしくはもう少しで実用化可能、あるいはすでに実験的に実用している段階」の、コンピュータと通信に関するさまざまなシステムが展示してあって、どれを見てもとてもおもしろかった。専用のメガネをかけずに立体に見える映像、見る角度によって全く別の映像が見える液晶ディスプレイ、アナログ映像をリアルタイムにMPEG2に変換するPCICMAカード、車に乗っているときにメールが来たときに、メールの本文から「重要と思われるところ」を自動的に抽出して読み上げてくれる装置、譜面と歌詞を入力すると歌を歌ってくれるソフト。これは実際にもう十分実用可能で、PC用のMIDIソフトにもそのうち同梱されていくだろうと言っていた。これがあれば「音取り音源」だけでなく「音取り&歌詞覚え音源」を作れる。それはちょっとほしいぞ。500万画素の液晶ディスプレイはめちゃくちゃきれいだった。あと、メロディーの一部を歌うと、そのメロディーから曲を検索してくれるシステムがおもしろかった。カラオケに行ったときに「メロディーはわかるんだけど、誰のなんて歌だっけ?」というときに、これでちょいと歌えば検索できる、という代物で「これは十分需要がありそうですよ」と知らない人と話しながらうなずく。実際に一部のカラオケ店で実験導入しているそうだ。

展示を一通り見終わってから会場の外へ出る。子供向けのゲームをやっていたり屋台が出ていたりフリマをやっていたり、ミニSLも走るらしく、線路がひいていた。私はあまり興味がないので、さっさと帰ることにする。今度はバスと電車を乗り継いでいった。途中で、明日の外泊で買おうと思っていた買い物を済ませてきた。家賃も振り込んできた。銀行の残高がどんどん減っていく。やばい、いつまでもつだろうか。

病棟に戻って一服する。カラオケをやっているので参加する。カラオケに参加するのは久しぶりかもしれない。その後はシャワーを浴びて、日経コンピュータを読む。「ITコーディネータ」という資格ができたそうな。ふ~ん。

16:00からリラックス体操&自律訓練法。最近リラックス体操にかける時間が長くなってきた。今日みたいに外出した日は特に効果があるようだ。今日くらいの外出では全く疲れを感じていないが、体操をしてみるといつもよりリラックス度が違う気がするので、やはり気づかないうちに疲れは少したまってるのであろう。

日経コンピュータを読み終え、日経オープンシステムの7月号の拡大特集「企業システム構築法~基本を押さえ、王道を知る~」を読み始める。かなり長い記事だ。最初の「総論」を読んだところで18:30くらいだった。普通なら連絡会の時間だが、今日は土曜日なのでない。一服しようと思ってコーヒーをいれて喫煙所で飲んでいたら、S君が卓球のセッティングをしだしたので、1時間くらい卓球をやる。

その後は20:00までTVの「筋肉番付」を観る。スワローズが優勝してから12時間後に、スワローズの選手がピッチングの「板抜き」をやったものを収録したものだ。ピッチャーが案外成績が悪い。プロでもプレッシャーがかかるとなかなかうまくいかんものだな。試合でのプレッシャーのかかり方と、またひと味違うのだろう。

その後、就寝準備をしながらこれを書いているところだ。まだ体が火照ってるので上はTシャツ一枚だ。体がクールダウンしたらスウェットの上を着て歯磨きして特集の続きを読むとするか。明日は久々に歌の練習だ。

時計を見たのは3:30だったろうか。眠りは深かったのか浅かったのか、なんか何度も目を覚ましたような気がするが、あまり覚えてない。寝付きはまた悪く、1時間くらいはかかっている。夜明け頃に廊下を歩く人のスリッパがうるさいなあとか、洗面所で誰か話している、またうるさいなあとかぼんやり思った記憶がある。起床の放送が入ったときは眠っていた。「目覚めのヨーガ」をやって起きる。

これを書いていると看護婦が「脈を計りますよ」と言うので処置質へ行って計ると85だった。看護婦は「別に高くない」と言うが、自分としては起きたばかりで80を超えているというのはやはり高いように感じる。ジムに通ってた頃は、ストレッチをしてからさあエアロバイクを漕ぐぞ、という時点でそれくらいだったから。

メールチェックすると山岳会のKちゃんからメールが来ている。アトピーの友達がいるとか、10の2乗をパソコンで書くにはどうやればいいとか、いろいろメールのやり取りをしているので返事を書く。今回はまた話題が変わってうちの病院の食事の話になっている。

裏技を使って洗濯を早く済ませて干してから、8:10頃からいつものごとくオカリナを吹きに行く。今日は音楽堂で吹いたが、誰にも会わなかった。吹いているときはそれだけで心が癒やされているような気がして気持ちがいい。

病棟に戻ってきて作業棟に行く準備をし、ホールの畳のところでストレッチしていると、テレビで気になる話題を取り上げているので、ストレッチしながら見ていた。アトピー性皮膚炎が元でいじめられ、不登校を起こしてそのまま引きこもりになった少年の父親がその手記を本にして出版していたらしいが、その父親がその子供を殺して自分も自殺した、という事件があったそうだ。アトピー性皮膚炎への偏見、ひきこもり、その子供が親に言ったという「俺がこうなったのはお前たちのせいだ。土下座しろ」という自分の弟とそっくりの言葉、見ていてひとごとではない。うちの家族もまだ問題だらけで一向に解決に向かわない。その大きな原因は両親にあると思っているが、うちの両親はいまだに自覚もなければどうすればいいのかわかってないようだ。

作業棟へ行っていつもの通り基礎データを計る。やはり脈拍は100を超えている。Wさんが壊れていない方のマシンを使うだろうと思って、液晶表示が壊れている方のエアロバイクで体力テストを行い、終わった後にプリントしようとしたら、ボタンを押してもプリントされない。おかしいな、と思って作業療法士に聞いたら「多分エラーが出たんでしょう。エラーが出ると液晶にしか表示されなくて、プリントされないんですよ。エラーの原因も液晶に出るんですが、この機械だとそれがわからないんです」と言う。ありゃ、そうなのか。私が体力テストを終わるまでWさんは来なかったので正常なマシンでやればよかったが、後からそんなことを考えてもしかたがない。もう一回やる気もないので、まあアップのつもりでやったことにしよう。一日くらいデータがとれなくてもいいや。

その後はいつもの通り30分を2セット。インターバルは10分で、腹筋を挟む。今日は漕ぎながら呼吸に注意してみた。声楽をやるときのように、鼻から背中に息を入れて、斜腹筋で吐き出す。それをやっているうちに、胴まわり全体に意識が移ってきた。この辺りを意識しながら漕ぐと、体脂肪の燃え方も変わってくるだろうか。消費カロリーは一回目は前回と全く同じ数値が出た。

インターバルの間に、Nさんが「体脂肪測定器の使い方を教えてください」と言うので、教えてあげて彼が計ったら36.7%。「うわ~、太り過ぎですね~」自分で笑っていた。その後I君も計りたいというので同じように教えてあげて計ったら7.0%。それは痩せすぎだろう。これはちょっとやばいんじゃないか?I君は最初は対人恐怖症で入ってきてほとんど姿を見せなかったが、最近はよくホールに出てきて他の人とも交流しているし、作業療法にも来るようになった。が、どうも摂食障害が出てきてしまい、つい最近まで拒食モードに入っていた。最近ではおかゆ食でなんとか全部食べられるようになったという。何か一つの心の病が回復すると思ったら、今度は別の形で現れるという人は多い。心の病は複雑なものだ。

午後から入浴を挟んでずっと日経オープンシステムを読み続ける。まだまだバックナンバーが溜まっている。6月号の特集記事「Linuxを基幹系に使えるか」や「検証&調査 11Mbps無線LANの威力」「活用と選択 負荷分散装置」など、とてもおもしろかった。やっぱり日経オープンシステムが読んでいて一番おもしろい。自分の興味の対象に一番マッチする。

16:00からいつものリラックス体操&自律訓練法。自己催眠状態になったところでいろんな自己暗示をかけているが、効果はあるのだろうか。

日経オープンシステムの6月号を読み終えた。木曜日に皮膚科に行ったときにデイパックに入れていた日経コンピュータが出てきた。読みかけの記事があったので、今度はそっちを読む。連絡会まで読んだ後、その後はずっと卓球をしたり喫煙所で歓談したりして、そのうち20:00になった。今日はそこそこ肉体的にも疲労したし、よく眠れるかな?これを書いてる今はまだ体が火照ってるが、冷めたらスウェットを着て就寝準備をし、また日経コンピュータの続きを読むことにする。

起床の放送で起こされた。それまでぐっすり、かどうかはよくわからないがちゃんと寝ていた。夜中もあまり目が覚めなかったような気がする。が、寝付きはまたまた悪かった。なぜだろう。今まで聴いていたCDを1枚まるごと聞き終わっても寝付けない日が続く。寝付くまでに1時間以上かかっている。

布団の中で「目覚めのヨーガ」をもぞもぞとやり起きて洗面する。顔を洗うとかなりすっきりしてきた。

メールチェックすると26通も来ている。山岳会のMLが9通、その運営委員のMLが7通。内容はいろいろで、山行報告、岩トレ報告や運営会の議題や日程についてなど様々だ。OB合唱団のMLでは会計に関する議論、というか収支をB/SやP/Lで作る試みをやっている。

今日は皮膚科通院の日だ。8:00くらいに出るので、朝食後のコーヒーはインスタントで済ませ、7:30にオカリナを吹きに行く。今日は山の中まで入らずにグランドで吹いた。散歩中のSさんが通りかかって拍手をしてくれた。その後も散歩に行くUさんが通り過ぎていった。いつものレパの後、適当に即興で吹いた。どうも「竹田の子守歌」のヒネリの部分が納得行くように吹けない。毎回即興でやってるが、今日はいまいちだ。

病棟に戻って、すぐに外出する。バスを待ってると、この病院が終点かつ始発のバスが来て、降りてくる人を見るとさっき散歩に行ったUさんが降りてきた。「あれ?」と私が言うと、「散歩の途中で疲れたからバスで帰ってきた」おいおい、バスで帰ってくるのはいいけど、そんな院外の遠くまで散歩に行ってるのか?

今日は薬だけですぐに終わった。バスの発車まで時間があるのでぶらぶらしていたら、駅前の本屋が開店準備をしているので覗いてみた。この地域の地図が売っていたので買った。ウォーキングなどもやりたいな、と思っているので周辺の地図がほしかったのだ。

病院に帰ってきたらちょうど9:30。体育館レクかと思いきや、今日は病棟内で卓球大会をするという。その準備中だった。11月の病院全体の卓球大会のメンバー選出も兼ねて、ということらしい。どうせなら体育館でやりたいところだが、スタッフの手が足りないので病棟内でやるそうだ。今は9:45だが、まだ始まっていない。みんな寝ている。

メンバーが8人そろって卓球大会が始まった。トーナメント式で、くじで組み合わせを決めたのだが、いきなり初回で卓球経験者のS君とあたってしまった。もう少しレベルを考えて組み合わせを決めればいいのに、と思ったがまあいいや。いつも11点マッチでやってるが、今日は21点マッチでやるとのこと。S君と試合すると勝つことが多いのだが、今日はいきなり負けてしまった。トーナメントなのでいきなり負けると後は見てるだけ。結局I看護士が優勝した。

昼前から日経オープンシステムのバックナンバーを読み出す。4月号から読んでいるが、「さわって学ぶXML入門」の記事がおもしろかった。ちょうど第1回目で、XMLは漠然としか知らなかったのが、割と「こういうものなのか」と改めて知識の再整理に役立った。

ホールに行って一服すると、NHKで宋次郎が出演してオカリナを吹いていた。私のより1まわりか2まわりほど大きなやつで、木製だった。こうやって聴くとやはりいい音だな。

15:00になったのでシャワーを浴びにホールへ行き、鍵を開けてもらおうと思ったらナース室に看護婦がいない。辺りを見回しても見あたらない。病室にもいない。女性の病室も見てきてもらったがいない。待ったあげく、5分以上たってからやっとI看護士が現れた。多分今日は誰かが休みで人が少ないのだろうが、「看護婦が一人もいない」という状態はまずいのではないだろうか。私は別に急ぐ用事でなかったからいいようなもの、もし何か緊急事態が起きたらどうするのだろう。「医療現場」において「5分」の空白は、私の感覚としては「長い」と感じる。

シャワーを浴びて体を洗って出ると、退院したSさんとHさんが来ていた。外来で来たついでに寄ったらしい。Sさんと久々にいろいろ話をした。Sさんは薬や病気について、かなりはっきりとした自分なりの考えを持っていて「受動的な患者」ではなく、その点は私と共通しているので、そういう話題でいろいろ話がはずんだ。Sさん曰く、「身体障害、知的障害、精神障害と3つの障害のタイプがあるんだけど、まだ横並びでなくて、精神障害だけいろいろと遅れてるんだよね」なるほど、そういうカテゴリ分類があるのか。社会の理解、法整備、障害者への支援等まだまだのようだが、少しずつは進んでいるという。

夕食後、改めて自分が飲んでいる薬を「医者からもらった薬がわかる本」で調べてみた。一つだけ中枢神経全体に作用するバルビツール系の眠剤があった。ちと怖い。アトピーの薬も含めて一日に飲んでいる薬の値段を計算すると500円を超えていた。2割負担なので一日100円というところか。やっている途中に看護婦のSさんが来て「無理しないようにしてね」と言う。どうも私はそういう面でマークされているらしい。

日経オープンシステムのXMLの連載記事を読み終えた。他にはめぼしい連載はないので、バックナンバーから適当に記事を読み漁ってはどんどん捨てて行こう。ホールへ行って一服して新聞を読んでいるうちに20:00を過ぎた。そろそろ着替えて就寝準備をしよう。明日はもう金曜日だ。早い早い。

また昨日も寝付きは悪かった。寝付けなくて時計を見ると22:00だった記憶がある。なんで寝付きが悪くなってしまったのかな。夜中はけっこうよく眠ったと思うが、何回か半分目を覚まして、また布団が1枚はがれてるな、と思って直したりした。5:30頃に目が覚めて、うつらうつらの状態だったが、伸びをして起きると6:00ちょっと前だった。

洗面をすませて着替えていると「脈を計りますので後で来てください」と言う。着替え終わってから計りに行くと、脈拍は80くらいだった。おんや~、朝一番は低いのか。それから上がっていくのかなあ。看護婦は「気にしない方がいいと思いますよ」と言う。「運動とか少し体を動かすと、上がったりするのは当たり前だから」いや、当たり前だけど、エアロバイクにまたがってしばらくじっとしてても下がらないし、昼間に自分で計っても100を超えてるんだけどなあ。なんか納得いかない。そういやジムに通ってた頃は、ストレッチしてエアロバイクやろうとしたときでも78とか80台とかだったけど、起きたばかりで80というのはやはり自分としては高い。

朝食後、昨日珍しくアルコール科の開放病棟から移ってきた患者からいろいろと話を聞く。アルコール科はいろいろとプログラムがあってスケジュールがびっしり埋まっていて忙しいらしい。その代わり夜は22:00まで起きていてもよかったり、入浴日以外でもシャワーは時間内なら自由に浴びてもいいなど、プログラムの時間外での行動は自由度がここよりも高いようだ。病棟内に患者で構成する自治会や班があって、ミーティングなどを毎日やっているらしい。精神科とはかなり様子が違って「脱アルコール」のために厳しく自己管理ができるようになるための訓練、という感じがする。「半分刑務所ですけど」彼はそう言ったが、聞いていると確かにそれに近いものがある。

さっさとシーツ交換を済ませ、オカリナを吹きに行く。今日は誰にも会わなかった。いつものレパの他、30分くらい自分の好き勝手に吹いたりビートルズのナンバーなんかを吹いた。

病棟に戻ってくる。どうもまた風邪っぽい。咳が出てきたし、鼻もつまってる。やばいなあ。病棟でも風邪がはやってるので、うつったのだろうか。風邪ひいてばっかりだと嫌だなあ。

看護婦のSさんが来て、昨日I看護士に言われた「今日10:00の件」をもう一度伝えに来た。どうやらカウンセリングでなくて、心理テストらしい。何をやるのかちょっとどきどきわくわくだ。

「環境整備」で雑巾掛け。うっかり窓のサンに手を出してしまったのが運の尽き、またまたやり出すと止まらない。うわ~ん、いくらやっても細かいところが気になるよう。婦長さんが来て「やり出すと止まらないんですよ」そう言うと「じゃあ、私がやめてって言うことにするから、やめていいですよ」そう言われてやっとやめられた。自分ではやめられない、というのは依存症になりやすい性格を如実に現しているのだろう。

10:00から心理検査、ということで指定されたいつものカウンセリングの場所に行ってみると、いつものカウンセラーでなく女性の心理士が現れ、ロールシャッハテストをやった。なんと3時間半もかかった。10枚のカードがあるのだが、それを見て「何に見えるか」と言うのを自由に言っていく。1枚のカードにつき10個くらいは答えただろうか。10枚全部答え終わった時点で11:10。

これで終わりかと思いきや、「では最初に戻って、なぜそう見えたのかを説明してください」と言う。うっひゃ~、覚えてるかな。というわけで一つ一つ説明していく。ほとんど覚えていたが、2つか3つ「何でそう見えたんだっけ?」と思い出せないものもあった。かなり細かく「どの部分がそう見えましたか」「なぜそう思ったのですか」というのを突っ込んで聞いてくるので、私も自分の思考プロセスを思い出しながら、どの部分がどう見えて、その結果こういうイメージを持ち、その次にここの部分がこう見えたので、全体としてこのようなイメージを持った、ということをできるだけ細かく説明していく。覚えている限りの思考のプロセスは説明した。最後まで説明したら、13:20だった。

それでやっと終わり、かと思ったら「次は自分の一番好きなカードを選んでください」と言う。その後は一番嫌いなカード、そして自分のイメージに合っていると思うカード、自分の母親のイメージのカード、父親のイメージのカードを選ばされた。全部理由を説明させられた。それが終わったら13:30だった。病棟に戻ってやっとメシにありつけた。普通は1時間しか食事はとって置いてもらえないが、心理検査を受けに行っていることは看護婦は知っているので、ちゃんととって置いてくれた。

昼食の後、入浴を挟んで日経コンピュータを読み、16:00からはリラックス体操と自律訓練法を行う。外泊中はやらなかったし、昨日は16:00からHさんと歌を歌いにいってやらなかったので、少し久しぶりだ。やると本当にリラックスして気持ちがいい。自律訓練法で休めた後、脈を計ってみる。84だった。うむ、異常ではないが自律訓練法をやった後にしてはやはり速いような気がする。

日経コンピュータを読み続ける。一冊読み終えて、バックログ、ではなかったバックナンバーを取り出して読む。小さな記事に目を通したところで、交代した看護婦が「お変わりありませんか」とまわってきた。隣のベッドのSさんがいきなり「看護婦さんはどうやってストレス発散しているんですか?」と尋ねる。その看護婦は「私の場合はね~、思い切り大きな音でエレクトーンを弾くことかな」なんて言っていた。なんか趣味を持つことは大事なのだろう。「いい意味でのめり込めるものがあるといいのかもね」その看護婦は言っていた。後からSさんに「なんで看護婦にストレス解消法を聞いたんですか?」と尋ねると、「いや、自分の担当看護婦だから」とのこと。私も自分の担当看護士に今度聞いてみようかな。看護婦もストレスのたまる職業だろう。三交代で時間も不規則だし、自律神経失調症になったりしないのだろうか。Wさんは以前看護婦でうつ病になってやめた人を知っているらしい。

Wさんは睡眠障害もすっかりよくなってもう退院のめどが立っているという話だ。Sさんが「退院の予定は決まったんですか?」と聞くと、Wさんは「いろいろあって女房と別居することになったので、今から家を探すんです。家が決まったら退院かな」と言っていた。Sさんは「悪いこと聞いちゃったなあ」と言って「自分も心配になってきた。よけい鬱になりそうだ」と言っている。独り身の私はそういう心配はないが、やはり所帯を持っているとそういう心配はどうしてもあるのかもしれない。実際に入院患者で離婚した人はものすごく多い。病気に対する理解がどうしても相手に足りないのか、理解はしてもやはりそうせざるを得ない選択をせまられる何かがあるのか。配偶者に「健康」を望むのは当然かもしれないが、病気だから別れる、と言うのは同じ病気を持つ人間としては聞いていてとてもせつない。

連絡会の後、昨日アルコール病棟から移ってきたQさんから魚のさばき方の話などを聞く。元は魚屋だったらしい。が、今は入れ墨を入れてなにやらどうも怪しい。

メールチェックすると、退院したKさんからメールが来ている。朝にも来ていて「今日、会社で面談して復職する日を決めます」とあったのだが、その結果「11/1から復職が決まりました」とある。「無理しないように用心してください」と返事を出した。

日経コンピュータ10/8号の特集記事「構造改革、待ったなし!」を読み始めた。読み始めた一番最初の「総論」のリードにいきなり「真面目なエンジニアほどうつ病など心の病に陥る」と書いてあって、お~いおいおい、と思った。やはりこの業界はそういう傾向があるのか。う~ん、深刻な問題だ。今から記事を読むところだが「構造改革」によって、そういう風に心の病にかかる人が少なくなるのだろうか。

読んでいるうちに20:00を過ぎた。便通の回数だけ記録してタバコを一服吸ってから病室に戻ってきた。ぼちぼち就寝準備をして、寝るまでまた続きを読もう。