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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年10月17日

昨日は寝付きが悪かった。寝るときに軽い尿意をもよおしていて、ベッドに入ってからトイレに行こうかどうか迷って、まあいいやと思っていたが、結局21:40頃トイレに行った。今まではそれくらいの時間までには寝付いていたのに、寝付けなかったのでトイレにいったのだ。最近は寝るときにオカリナのCDを聞いているのだが、聞き慣れない曲が聞こえてきた。多分その曲に入るまでにいつも寝付いているのだろうが、昨日はCD1枚終わっても寝付けなかった。寝付いたのは22:00をまわってからだろう。巡回の懐中電灯の灯りを感じたのを覚えている。

その後はけっこうよく眠れたと思う。夜中目が覚めた記憶はない。5:30頃目が覚めた。昨日の連絡会でEさんが「夜中に歩く人のスリッパの音がうるさいし、起床前の洗面所でもうるさい人がいます」と言ってみんなに注意を促していたにも関わらず、洗面所ででかい声で話しているおばさん連中がいる。このおばさん達はいつもうるさい。と思ったらYさんが出ていって「うるさいよ」と注意した。私は目が覚めてしまったので、「朝のヨーガ」をだらだらとやる。ちゃんとポーズを覚えてないので適当だ。伸びをすると気持ちがいい。6:00ちょっと前に起きて洗面を済まして着替えた。

朝の服薬で並んでいたら、後ろからIさんが「おはよう」と声をかけてきてくれた。「暖かそうな格好してますね」と言う。確かに私はサマーセーターの上からパーカーを着込んでいるのに対し、彼女はTシャツ一枚だ。「寒くない?」そう言うと「寒くないよ」と答える。「俺、こんなに寒がりだったかなあ」と言うと「歳とったんじゃない?」と彼女は冗談めかして言う。

朝食後、8:20頃までCDを聞いた後、さっさとシーツ交換を済ませてオカリナを吹きに行く。台風の影響で今日は雨模様だ。今は雨が降ってないけど、夜のうちに降ったらしい。ズボンが汚れるのが嫌なので、今日は山道を歩かずにグランドで吹いた。

9:00頃から勉強をしようとしたが、文字を追っても内容が頭に入ってこない。どうも調子がよくない、というか、やはり眠剤が残っているのだろうか。主治医が来たら面談をお願いしたい、と看護婦にお願いしておいた。おとなしくCDを聴きながら寝ることにする。

10:00頃、いつの間にかバケツと雑巾が出ていたので、さっさと周りの拭き掃除をして、また音楽を聴いてすごす。

11:00の服薬後、売店へ買い物に行って、飲料と「なめたけ」をかった。永谷園のお茶漬け海苔がないかなと思ったのだが、ない代わりに「なめたけ」が目に入ったのでつい買ってしまった。売店を出ようとしたところで雑誌売場の「NHKきょうの健康」が目に入って、その表紙の「快適睡眠法」という文句に目を奪われて、つい買ってしまった。

売店を出たところでばったりA君にあった。今日は歯科の通院で来ていたらしい。S君が閉鎖病棟に移ったことをもう知っていて、状況について根ほり葉ほり聞いていった。前に落ち込んだときになぐさめてくれたKさんに、今回は無視されたのが落ち込みが激しくなった原因ではないか、と彼は言っていた。その意見は一昨日の喫煙所でも出ていた。Kさんはちょうど彼の母親くらいの歳で、彼は典型的なマザコンだから、彼女に無視されたことが相当こたえたのだろうか。

昼食前に9月分の入院費の請求書が来た。よかった、8月より2万円以上安い。銀行の残高も気になるが、まだ余裕はある。だが、できるだけ節約を心がけよう。

喫煙所で「一年に二回咲く桜」の名前を教えてもらった。「彼岸桜」というらしい。

午後一番で入浴後、買ってきた「きょうの健康」を読む。カフェインの入ったコーヒーやお茶は寝る5時間以内に飲まない方がいいとか、寝る前1時間以内にタバコは吸わない方がいいとか、そんなこと言われたって、と思うことが書いてある。他にスキンケアの記事も載っていたので読む。こういう情報はとっておきたいが、この前買った健康雑誌もそのまま置いてあり、どんどん本がたまっていくので、これらも必要な記事だけ切り抜いてスクラップし、本体は捨ててしまった。

昼過ぎにホールに行くと、看護実習生と患者たちが卓球をやっている。見ながら少し教えてあげたが、直接相手をしてほしいというので、マイラケットを持ってきて実習生のTさんの相手をする。サーブのやり方も知らない初心者だったが、運動神経はいいようで球への反応がよく、少しコツを教えたらすぐにいい球を返すようになった。ブロックを崩さないように積み上げていくゲームをやっていた他の実習生たちに「見て見て、うまくなったよ」と彼女が言って、少し打ち合ってみせると「ほんとだ~、うまくなってる」と感心していた。ひょっとして私は「人に教える」というのが上手なのだろうか。あまり今までは意識したことがなかったのだが。

15:00で実習生はミーティングに入るので卓球は終わり、私はさぼっていた勉強を始める。新しい参考書に載っている残りの演習問題を全部やってみた。う~む、やはり的確な解答が導き出せない。解答と解説を読むと、それは理解していたのだが、そこが問題の意図だとは気がつかなかった、というパターンが多い。なんとか「出題者の意図」を汲み取るようにしなければ。

16:00の服薬後、主治医から呼ばれて面談する。最近は夜中目が覚めることもなくぐっすり眠れていて、逆に朝になってもぼ~っとして、眠剤が残っているのではないか、という件、外出して雑踏をうろうろしてもあまり疲れを感じなくなり、帰ってきてからも疲れが出ることがなくなった件、人混みでストレスを感じていたのは対人恐怖ではないという念押し、カウンセリングを毎週行うことを決めた件を話した。そして、自分としては傷病欠勤の期間が切れる来年の7月くらいまでに会社へ復帰、というくらいのスパンで治していこうという長期戦を覚悟していることも話し、最初に会社へ出した診断書の期限がもう切れるので、また書いてほしいという旨を伝えた。とりあえず3ヶ月でまた出しておきます、と主治医は言った。

「ところで、心理検査は受けたことありますか?」と主治医が尋ねた。「500問くらいあるマークシートのやつですか?」と聞いたら「そういうのもありますが、ロールシャッハテストとか、そういうやつです」と言う。おお、ロールシャッハテストね、いろんな本で読んだけど実際にやったことはない。そう言うと、「まあ何かの参考になるかもしれませんので、一度やってみますか?」と言うので「おもしろそうだからやってみたいです」と答える。いつになるかわからないが、どういう結果が出るのか楽しみだ。

夕食前Fさんに、私はどこが悪いのか見ててさっぱりわからない。ぜんぜん普通に見える。そう言われた。まあ、この病棟内にいる限りは比較的安定してけっこう元気だし、Fさんは最近入院したので私が落ちたところも見たことないしな。一見どこも悪くないように見えるんだろうけど、でもこの病棟にはそういう人はたくさんいる。

夜、私と同じく山登りが趣味だというK氏と喫煙所ではじめてじっくり話をした。彼はうちの会社もお世話になっている大手メーカーの経理らしく、来年定年だという。6ヶ月入院しているけどまだよくならず、なんとか年内には退院したいらしい。私と同じ主治医で、カウンセラーも私と同じ人だそうだ。いろいろお互い苦労話をした。メーカーでもやはりうつ病は多いそうで、しかも、というかやはり長引く人が多いそうだ。

その後病室に戻って勉強しようとしたが、問題集を広げてもなんだかやる気がしないので、やめてCDを聴いて寝ていた。私は昔から、日頃はこつこつ勉強するのにいざ試験が近づくと急に勉強に身が入らなくなる。なぜなんだろう。高校時代は、定期テストではいつも80番くらいだが実力テストでは10番以内、ということが多かった。

書いているうちに20:00をまわった。ちょっと一服してから、着替えて就寝準備をしよう。