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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年10月6日

5:15頃起きた。途中何回か目が覚めたが、時計を見たのは2:30のとき。かなりストーリー性のある夢を見た記憶がある、内容は覚えてないが、途中目覚めたときに、ああ夢を見てたんだ、そう思った。寝付きはとてもよかったと思う。オカリナのCDを聞きながら寝たのだが、1曲目を最後まで聞いた記憶がない。エアロバイク30分2セットと、夜の卓球で肉体的にけっこう疲れていたせいだろうか。

ホールに出ていくと、喫煙所には結構たくさんの人が起きてきている。外泊が多くて全体の人は少ないが、早起き組は結構残っているようだ。濃い目のコーヒーをいれてブラックで飲む。少しずつ頭が冴えてくる。5:45頃に洗面を済ます。

朝食までに「あくせくするな、ゆっくり生きよう!」の「仕事をスマートにする」の章を読み終えた。仕事をするときの対人関係から会議のやり方、時間管理に至るまで、さまざまな「流動的思考」の用い方が書いてあっておもしろかった。今まで読んだ本と基本的な考え方は似ていたり、「タイムマネジメント」の研修で教わったこととも共通することがある。特に、「人間は同時にいろんなことを考えることができるが、一度にできることは一つだけ。一つのことをやりながら、次やその次にやることについてあれこれ考えるから能率が落ちる。『今』に集中して、一つのときに一つのことをこなしていけば、効率は上がる」という記述には「そうか、なるほど!」とうなずいてしまった。私もご多分に漏れず、何かやりながら別のことをあれこれ考えてしまう、つまり「気が散る」タイプなのだ。大事なのは「集中力」ということか。

朝食前に洗濯機に放り込んでおいた洗濯物を、7:30ちょうどに干しに行く。洗濯物を干すときも、やたらバランスに気を配ってしまう。角ハンガーが傾かないように…。

8:00頃から散歩に行く。いつもの通り音楽堂でオカリナを吹く。今日は調子がいまいちだ。呼吸がぶれる。いつものごとく一通りコンサートの曲を流した後、「竹田の子守歌」の即興から戻る部分、先日パターンを決めた箇所を練習しながら、少しパターンに変化を加えてみた。また新しいテクを開発した。吹きながら巻き舌をすると、ビブラートともトレモロともつかないおもしろい音になる。それを加えてみた。

バスに乗ると、外泊に出るIさんが乗っていた。病院前の停留所から乗ってきたらしい。その次の停留所の方が病棟からは歩くと近いということを知らなかったらしい。私とYさんが乗り込んできたので、あれっという顔をしていた。バスの中でIさんといろいろ話をした。いろいろ話をしたのははじめてかもしれない。前に一度散歩に誘って、私の家のすぐ近くに住んでいる、ということは知っていたが、それ以降はほとんど話をしたことはなかった。タバコも吸わないし、あまりホールに出てこない。部屋にこもっていることが多い。病室では同室の人と割と話はしているようだ。いつも沈んだ暗い表情をしているけど、話していると笑顔が出てきた。彼女は、他の患者同様やはり睡眠障害と、それから妄想があるらしい。それもだいぶ落ち着いて来たそうで、あと1ヶ月くらいで退院を考えていると言う。

電車に乗り、ボックスシートに座れた。隣に座った若い女性がデイパックともう一つ大きな荷物を抱えていて大変そうだなと思った瞬間、自然に言葉が出た。「荷物、上に乗せましょうか」以前なら、たとえそういう言葉をかけるとしても、ちょっとためらいがあったのに、自分の中で本当に自然にその言葉が出てきた。言ってから自分自身がちょっと驚いたくらいだ。その女性は、「いや、いいです」と言って荷物を抱えていて、7分くらいして停車した駅で降りていった。

今日は「流動的思考」とやらを試してみようと思っている。ストレスは自分の考えが作り出したもの。人混みも騒音も、気にしないで受け流してしまえばストレスにならないはずだ。今読んでいる本の考え方では、の話だが。さて、どうだろう。

目的の駅について、まずは本屋へ向かう。買おうと思ってリストアップしておいた本を探して買うが、一冊は売り切れていた。それはそうと、またしても予定外の本を一冊買ってしまった。「積ん読」がますます進んでしまう。

その次は映画館に行った。前から見たかった「千と千尋の神隠し」を観るためだ。それまで、流動的思考をちょくちょく意識して、人混みの中でも頭を空っぽにして受け流すようにしていたが、それでも少し疲れたような気がした。まあ、すぐにできるものでもないだろうから、もうちょっと続けよう。疲れは気にしないことにする。

「千と千尋の神隠し」を見終えた。うむ、宮崎駿はすばらしい。私は日本の映画はあまり見ない(というか映画そのものをあまり見ない)が、宮崎駿の映画は好きだ。中学生の時に「風と谷のナウシカ」を見てものすごく感動して、2日くらいその感動が続いていた記憶がある。今回の映画もすばらしい。まず「八百万の神」を「客」と迎える湯屋という発想に度肝を抜く。なんというイマジネーションだろう。「神」と言っても日本古来の「神」はひどく人間くさい。なんせ「八百万」もいるわけだし、それは「人間」の象徴的なものだととらえていいのだろう。宗教的な「神」とは少し概念が違うような気がする。それはともかく、単純にストーリーもおもしろいが、それだけでなく深く考えると、いろいろ象徴的な考え方や教訓が含まれているような気がする。最後にハクが千に言った言葉、「後ろを振り向くんじゃないよ。振り向かないで歩いてお行き」が忘れられない。

映画の後は回転寿司でおなかを満たし、ちょっと足を延ばしてスポーツジムへ。別にトレーニングしに行くわけではない。しばらく入院するので9月、10月と休会扱いにしていたのだが、まだまだ入院生活は続きそうなので、11月からさらに3ヶ月休会を延ばす手続きをしに行ったのだ。

電車に乗り、病院の最寄り駅に戻ってくる。そのまま100円ショップにより、小さめの折り畳み式手鏡を買った。手鏡は今まで持ってなかったのだが、やはり必要だ。鏡がなくては自分の表情をチェックできない。薬を塗るときも不便だ。風呂に入った後、ブラシで髪をとくときも洗面所まで行かなくてはならない。これでまたアメニティレベルがアップしたぞ。

病棟に戻り、一息ついてから洗濯物を取り込む。なんだかまだ少し湿っぽいので、乾燥機に放り込んで30分だけ回す。16:00になって夕薬を飲んでから、リラックス体操。外出して疲れて帰ってきたときにやると、やっていていつもより効果があるのを感じる。十分にやった後に、これまた十分に自律訓練法をやると、かなりリラックスできた。ほとんど疲れが取れたような気がする。もともとそんなに疲れていなかったのか。だいぶ慣れてきたのか、「流動性思考法」が功を奏したのか。その後、乾燥機から洗濯物を取り出してたたんで収納すると、もう夕食の時間になった。

今日は外泊が多く、とても人が少ない。3連休でみんなうちに帰ってるのだろう。日曜、月曜となんの予定もないし、外出届けも出してない。ゆっくり勉強しようかな。

夜はだらだら買ってきた本を拾い読みしたりして、その後「あくせくするな、ゆっくり生きよう!」の最終章「あくせくするな、ゆっくり生きよう」を読み進める。タイトル通りの章なので総括的な内容かと思えば、まあそういうような記述もあれば、「ストレス」や「仕事」以外に独立して取り上げなかったトピック、たとえば「余暇の過ごし方」などについての「流動的思考法」の活かし方を書いていたりする。19:30になったらS君と卓球をする約束だったので、そこで中断する。

SさんとI看護士と卓球をする。どうもIさんはサーブにしろレシーブにしろ、ちょっと変わった回転をかけてきてやりづらい。2ゲームしたが、2回とも負けてしまった。前は勝ったのだが。

S君とI看護士が試合をしている間に喫煙所でFさんと話をした。私が「おもしろいTシャツを着てますね」と言ったら「歳に似合わないですよね」と答えたので「そんなことないですよ」と言った。ちょっと間があってから、Fさんは「今『そんなことないですよ』って言われたのに『ありがとう』と私言いませんでしたよね。いけないですよね」と言った。私はそんなこと全く気にしていなかったので、そういう旨を話し、「そういうことをいちいち気にして悩まない方がいいですよ」などと話した。「でも、何にも気にしなくなったらバカじゃないですか」Fさんは言う。確かにその通りかもしれない。私は続ける。「うん、そうかもしれないけど、気にする必要のない小さなことまで気にすると、ダメだと思うんですよ。その区別って、だんだんついてくるんじゃないかなぁ」とか「気にする必要のあることでも、くよくよ悩まずに『あ、またやっちゃった。これからは気をつけよ』とか自分を笑い飛ばすくらいの方がいいですよ」とか、えせカウンセラーのようだ。しばらく二人で話す。私から見ると彼女はちょっと繊細なだけで、それ以外はとても普通に見える。本人の自覚の問題なんだろう。

20:00になって卓球はおしまい。便通の回数だけ記録して、就寝準備に入るが、私は汗を拭いた後、体温が下がるまで汗が出続けるので、上半身裸の状態で、今これを書いている。もう少し汗がひけばシャツとスウェットを着て歯磨きしよう。風邪をひかないように気をつけなくては。残りの時間で「あくせくするな、ゆっくり行きよう!」を読み終えられそうだ。